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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 118

 「たっくん、ちょっといい?」

 クレスタとソアラの話を聞いていたところ、みさとから声がかかった。

 「どしたの、みさと?」

 「あのね、グラタン作りたいんだけど、うちに戻って焼いて戻ってきてくれないかな?」

 「ほぅほぅ。

 場所があれば、オーブン作ろうか?」

 「本当?

 あれかな、使ってみてポルテさん気に入ったら置いてくが良いんじゃない?」

 「そうだね、そうしようか。」

 勝手に話進めてるけど、本人に聞かないのかい?

 「ポルテさーん、言ってたグラタンできるって。

 それでね…」

 あーあ、行っちゃった。

 ちゃんと話してね。

 「クレスタ、ちょっとみさとのとこに行ってくるね。」

 「はーい、行ってらっしゃい!」

 さてさて。

 シビックを連れてキッチンに向かうと、なんともいい香りがしてきた。

 その香りで、俺とシビックの腹の虫が騒ぎたした。

 また色々作ってるな。

 テーブルの上もコンロの上も、ところ狭しと料理が置かれている。

 「お邪魔しまーす。

 みさと、何処に置く?」

 「あ、たっくんありがとう。

 ポルテさん、ここに置いてもいいかな。」

 「あぁ良いよ、使っとくれ。」

 みさとは近寄ってきたが、ポルテは鍋に掛かりっきり。

 あれ?もう一人いる?

 「スペイド、これそっちにやっとくれ。」

 「はいはい、よっこらせっと。

 ポルテ、もうよそっていいんだろ?」

 「味見して大丈夫ならよそっておくれ。」

 「うんうん、良いんじゃない?

 ほれ、鍋空いたよ。」

 テンポ良くどんどん進んでいく。

 「みさと、あの人誰?」

 こっそり聞いてみる。

 「スペイドさんって言って、ポルテさんの双子のお姉さんだって。

 息ぴったりだよね。」

 みさともニコニコ2人を見ている。

 似てると思ったら、双子なのか。

 偶々今日は遊びに来てたとか。

 頼もしい助っ人だ。

 オーブンは前にも作ったので、ウエストポーチから取り出す。

 家にあるものと同じなので、使い方はみさともバッチリわかる。

 セットしたら後は待つだけなので、みさとはスペイドに声をかけた。

 「スペイドさん、テーブルの上もいっぱいになってきたから、向こうにお料理運んで大丈夫?」

 「あぁ、頼むよみさとちゃん。

 空いたところに、取り皿も用意しとくから。」

 「はーい!」

 俺も手伝おう。

 手を出そうとした時に、スペイドから声がかかる。

 ずいっと、鍋つかみと鍋敷きを渡された。

 「熱いから、これ使っとくれ。

 鍋敷きも持てるかい?」

 


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