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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 116

 「ソアラさん、こちら料理提供者のみさとさんです。」

 クレスタの提案で、街おこし希望の地方に来てみた。

 ティーダというところで、ラルゴの隣・湖に面している。

 豆腐が出来るということは、大豆を育てているに違いない。

 生産者や豆腐作っている人達がどういった食べ方してるかの調査もするみたい。

 「初めましてソアラさん、みさとです。

 こっちは旦那さんの拓海です。

 宜しくお願いします。」

 「やぁやぁよくおいでなすった。

 みさとさん、拓海さん、宜しくな。」

 挨拶が終わったところで、クレスタが本題に入る。

 「それでですね、ソアラさん。

 こちらの地方での豆腐の食べ方を、教えていただけますか?」

 「あぁ良いとも。

 母ちゃんに作ってもらうとするか。

 うちに来てくれ。」

 そう言うとソアラは、仕事場から自宅へと向かい歩き始めた。

 大きな建物はなく、一面綺麗にされた畑が見渡す限りにある。

 時期を分けて植えているのか、青々とした畝と乾燥させている干乾びた畝とが見える。

 「ソアラさん、あの青々したのって、枝豆で食べるんですか?全て大豆にするんですか?」

 「みさとさんだっけか、よく知ってんな。

 少しは青いうちに食べて、残りは干すのさ。」

 「良いですね!」

 後ろから付いて行く俺とクレスタは、顔を見合わせた。

 「拓海さん、今の話着いていけた?」

 「枝豆が美味しいのは知ってるけど、こうやって作っているとは思わなかったよ。」

 「うわー、勉強不足を痛感したな。

 頑張らないと。」

 そんな会話の間も、みさととソアラは楽しそうに会話する。

 「大豆があるなら、きな粉も作ります?

 甘くしておはぎにして食べたいな。」

 「うちは草餅に母ちゃんがしてくれるよ。

 たっぷり付けて美味いよな。」

 「おからも食べますか?

 私卯の花大好き。」

 「卯の花って料理かは知らんが、色んな具材と甘じょっぱい感じで出してくれるよ。」

 「奥様お料理上手なんですね。

 来て良かった、湯葉も楽しみだし。」

 「湯葉って何だ?」

 聞いたことのない名前に、ソアラが聞き返した。

 「お豆腐作る前の豆乳に出来た膜ですよ。

 あれも独特な食感で美味しいですよ。」

 「あれ、失敗して出来た時の膜か。

 食べられるのか、捨ててたぞ。」

 「あらもったいない、お醤油付けるとか薄味で煮るとかでも良いですよ。」

 俺は豆腐としか考えてなかったが、みさとは大豆から派生するもの全てを考えているようだ。

 そりゃ幅広く出てくるわ。

 腕組みしながら歩いているクレスタが、呟いた。

 「うーん、覚えてらんないな。

 もう1回話してくれるかな、みさとさん。」


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