お試しにも程がある 110
「また宜しくお願いしますね!」
商業ギルドの職員が、満面の笑みで送り出してくれた。
大量且つ良質・大きいサイズの魔石を仕入れられて、ホクホクのようである。
こちらは依頼達成、追加報酬まで貰えたので、Win-Winである。
「楽しい依頼だったな。」
「うん、不思議な体験もしたね。
帰ってご飯にしようか。」
「僕お腹空いた!」
人気のないところで、転移して帰った。
家に着いてから、向こうの世界で仕入れた食料を一通り出して、テーブルに並べる。
アイス以外を出したが、思った以上に大量だった。
「ギルドのお姉さんもこんな気持ちだったのかな。」
みさとは、まだ袋に入っているものを何処に並べようか格闘している。
それを見て俺は、ドリンクはサイドテーブルに避けて場所を作る。
やっと並べ終わり、食事タイム。
みさとは好きなバーガーのセットを確保、俺はベーカリーのサンドいくつかとポテト・ナゲット・ドリンクを選ぶ。
その間にもシビックは、気になったものからどんどん口の中に入れていく。
「これはこれでやっぱ美味しいねぇ。」
「慣れてる味だし、再現大変そうだよね。」
「買いに行けばいいと思ってて、再現とか考えてなかったもん。
今だと、ちょっと考えながら食べちゃうね。」
「どれも美味しいよ!」
そんなちっちゃい体の何処に入っていくのかと思うくらい、どんどん食べている。
「シビック、どれか気に入ったのあった?」
「ポテトがね、いつものは大きい形だけど、これは細くてサクサクが良い感じ。
あとね、お肉とパンが2回重なってるやつ。
お肉感が良いよね。」
「成程ね。
似たような感じの作ってみようかな。」
「クレスタに喜ばれるかもな。」
「今度はパン屋さんでも出すんじゃない?
お店がどんどん増えていくし。」
「そうそう、中華屋も甘味屋も順調らしいよ。」
「クレスタさん、流石だなぁ。
その内新たなメニュー作り出してくれるかもね。
そしたら、私が教わりに行きたいな。」
「そうなると良いね。」
そんな話をしている間にも、シビックはどんどん食べていく。
「みさと、甘いソースのサンドも美味しかった。
もう少し食べたいな。」
まだ入るんかい!
「同じものでいいの?出そうか?」
みさとは甘いなぁ。
まぁ、元の体が大きいから、普通なんだけど、テーブルいっぱいあったのに足りないのか。
「前より食べる量増えたよねぇ。
君も成長したのかな?」




