お試しにも程がある 100
「盛り上がってるところ悪いけど、まだ話し終わってないからね!
注意事項その1、2人は一緒に帰ること。
追加がいていいかまでは聞いてないから、お試し宜しくね。
注意事項その2、魔法も体力も戻る訳じゃないから、元の世界での扱いは気をつけてね。
注意事項その3、王冠はオデッセイ様からのプレゼントです。
売るとめっちゃ高いらしいよ、元の世界でも。
そんなところかな。
何か質問ある?」
直ぐ浮かんだものを、聞いてみた。
「こっちに戻れるの?」
「へ?戻ってきたいの?
知らないなぁ、それこそ試してよ。」
「適当だなぁ。
ベゼルだし、まぁ良いか。
何事もやってみないと分からないか。
よし、皆で帰るぞ。
何、ベゼルも行く?」
「え、めっちゃ楽しそう!
怒られないかな?」
「知らないよ。
帰ってこられるかもお試ししないとなんだし。」
「じゃあ行ってみよーかなぁ。
そうとなったら、自力で戻れるかも試したいね。
僕にもその力ちょっと分けてくんない?」
そんな会話の最中に、内線が入ったらしい。
「あ、え、えと、その…
すぐ戻りまーす!じゃあね皆!」
即座に消えたベゼル。
何があったのかは神のみぞ知る?
「オデッセイ様に呼ばれたんじゃない?
あの慌て様。」
フフンと鼻で笑うシビック。
「まぁ、用事があるならしょうがないんじゃないか。
ぼちぼち帰ろうか。」
俺は貰った王冠を、ウエストポーチにしまう。
「ねぇたっくん、車で来たよね?
車に乗って戻るの?」
「言われてみれば確かに。
同じ状況の方が良さそうだ。」
ダンジョンの中なのに、ウエストポーチから車を出す。
こんな所で何やってるんだろう、俺。
全員乗込み、シートベルトも締める。
シビックは、チャイルドシート無いし、みさとの膝の上。
「じゃあ、行くよ。」




