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大切

作者: とむ

あなたの大好きなところ『大切』なものを本当に大切にしてくれるところ。だから私は幸せだった、大切にされている愛されていると実感出来た。


でもその『大切』から外れた時には本当に興味が無くなるのね。

初めは些細な事だった、私のタオルやカップを使い始めたり、とっておいたアイスを食べちゃったりとか他の人に話してもそんな小さい事と言われる位な些細な事。でもね今までのあなたからは考えられない事だったわ、それに話しかけてもまるで私が居る事を忘れてた様に驚いてた事もあったわね。

私はあなたの事が大好きだし『大切』だからすぐに気づいたわ。私がとうとう外れた日が来たのねと。


子供が泣いているどうしたのだろう?パパがおもちゃを踏んだの?

目の前が真っ暗になった気がした。

あーもうダメだ、とうとうこの日が来た。この子まで外れる日が来るなんて。泣き叫ぶ息子、目は微笑みスマホを見ながらゴメンゴメンと気持ちがこもっていない謝罪をするあなた。その様子を見て、より怒りがわいて泣く息子。ダメだこの環境は、もうお終いなのね。今まではこの子があなたの『大切』に入っていたから家族を続けれていたけど…あなたは本当に自分勝手なのね。

あなたが私達を外すなら、私達も外しましょう。


楽しそう、嬉しそう、幸せな顔をして「休日出勤からの出張」へと向かうあなた。いったいどこへ行くのかしら?私知ってるのよ?パスポートの用意しているの。

見送ってすぐに実家へと電話をした、電話口の父と母が泣きながら『大切』な娘と孫を…と言ってくれている。自然と涙が溢れた。まだ私を『大切』と言ってくれる人が居ること、そしてこんなにも私の心は疲れきっていたのだと自然と涙が溢れた。

父の連絡を受けた兄が迎えに来てくれるらしい。兄も私たちの為に泣いてくれた。さぁ支度をしましょう。

私を私たちを『大切』と思ってくれる人たちの所へと帰りましょう。


あなたは知っていたかしら?私ね私が外れたあの日からこつこつと証拠は集めていたの。まぁ知らないわね、だってあなたは私のする事に興味が無いのですもの。明日、相談していた弁護士の先生から連絡をしてもらいましょう。そしたらまた私の事を思い出してくれるかしら?

私もあなたを『大切』から外します。だからきっちり精算はいたしましょうね。


兄が到着したようだ。さようならあなたとの『大切』な思い出がつまった大切な家。


そういえば、いつ気づくかしら?財布からカードが抜かれている事に。あとあなたが持って行ったのは私の期限が切れているパスポートよ。これくらいはしても許されるわよね?まぁ私はあなたがパスポートを使うことを知らないと言う事になっていますし。


さようなら『大切』だったあなた

読んでいただき本当にありがとうございました。

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