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最強最弱の戦闘兵機(レオパルド)  作者: るしふぁ~
最強最弱の戦闘兵機(レオパルド) 序章 ―アングシミュラー
7/50

不知者。

目の前に現れた、完全武装し臨戦戦闘形態の敵機レオパルド α、β、γの3機。


簡単に逃げれない様に前と左右に一機ずつ囲まれてしまい、どうにか逃げる方法を考えていると…


「サナ!マスター権限で命令する!『あの場所』へ逃げろ!」


僕の中にいる謎の声はその命令を確認、受理し『あの場所』へ向かうため、サナは強制的に逃走形態へと移行する。


マヒナとトライを置いて、一人で逃げてしまう―


それでもマヒナはこちらを向き、微笑んでいた。



そして、大爆発が起る。


その日、ラカスは地図から姿を消した。

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ―



かれこれ一時間程『あの場所』に向けて飛行を続けている。


「僕の中にいる声、僕に対して返事はできるのか?」


【はい。可能です―】


「あとどのぐらいで着くんだ、どこに向かってるんだ」


【時間はあと5分程で着きます。詳しい場所は口外しないようにとマスターから指示を受けています。】


「口外って…相手は僕じゃないか…」


そんなことを話している間、マヒナとライがどうなっているのか気になっていた。

レオパルドならともかく、普通の人間が巻き込まれれば、髪の毛一本残らないだろう…


すると、えらく広く、発展し背の高い建物が大量に立っている場所に着き、空中で静止し、頭の中で声が流れる。


【マスターより指示された『あの場所』への到着を確認しました。これよりMTモードに切れ変えます。】


「なぁ、僕は飛び方を知らないんだが」


【大丈夫です。本体へ直接飛行プログラムがあることを確認しています。感覚程度で飛べるように設定されています。】


「そ、そうか…わかった」


【では切り替えます。】



―フォン―



「おっ……と…ほんとだ、感覚で飛べるようになってる…ひとまず下に降りよう」


MTモードへ移行した瞬間は少しぐらつき、危なかったが、すぐに体制を整え空中静止できるようになっていた。

空中で目的地に着いたと言われたこともあり、どこに向かえばいいか分からなかったから、そのまま降下して地上に降りることにした。


シュゥゥゥゥゥ…


少しずつブースターの威力を弱めて地上に近づく―


「よっ……と…さて、ここからどうするか…場所もわからないし、ひとまずどこか建物へ…」


「おっと、そいつぁ感心しねぇなぁ」


「ッ!」


【声から判断すると敵対反応は無。友好的な声音と判断。】


独特な声の低さ…

喋り方…

そしてなにより、こいつ…体がデカい…

身長は2m程ありそうな程高い…体つきも筋肉が発達し、ただでさえ高い身長がさらに高く見える。

一体こいつは…


「初めましてだな、マヒナのレオパルドさんよ」


【解析が終了。声音はマスターより事前登録されていることを確認。害は無いと判断。】


(害が無い…?この声を信用していいのか…?)


「なぁレオパルドさんよ、アンタ名は?」


「なんだと?」


「あの物好きのことだ、レオパルドにも名前ぐらい付けてんだろ!」


確かに、こいつには敵対心が見えない。ならば教えない必要はなさそうだな…

いつ攻撃されてもいいように構えていた体を緩め、こちらも敵対していないことを示す。


「僕はサナ。マヒナからこの名を授かった。あなたの名前は?」


「俺ぁムナン!カラ・ムナンだァ!!よろしくなレオパルドの…兄ちゃん?姉ちゃん?声は姉ちゃんだが…どっちだ?」


「レオパルドは戦闘用人型AIです。人間のように性別はありません。」


「そうか!ならサナって呼ばせてもらう!まずは付いてこい!マヒナにお前を連れてくように言われてんだ」


「マスt…マヒナが?わかりました。」


「マスターって呼んでやれよ!ハッハッハ!!!」

(こいつがサナ…ラカスの≪希望≫か…へぇ……)


カラ・ムナンは高笑いしていた。

だがレオパルドの僕だからこそわかる。

この男、少なからず『何か』を企んでいる。完全に警戒を解くのはまずそうだ。



……


10分程度歩いた時、カラ・ムナンが背を向け歩きながら口を開く―


「なぁサナ、お前のマスター、マヒナはどうした?アイツ、俺らに≪希望≫がそこに向かうって連絡してきてから、なんも連絡が返ってこねぇんだ」


「ッ……俺『ら』という事は他にも仲間がいるんですか?」


「あぁ、俺含めて3人の少人数だけどな、んで、なんか知らねぇか?」


「全員揃っている時に話します。そちらの方が話す回数も少なく、質問等に答えやすいです。」


「そうか、わかった」

(マヒナ…てめぇまさか…)


後ろ姿のみ見ていて、顔を見ずに会話していてもわかる。

こいつ、企んでいるというよりも、確実になにか『大きな事』をしている…もしくは『した』か

このカラ・ムナンとやら、マスターと関係を持っていることと、ラカスの事を聞いてこないことから、恐らくさっき起こったラカスでの大爆発とは関係はなさそうだが…

正直、まったく読めない相手だ。

それによく見ると、腰元には左右にナイフが一本ずつ装備し、右足首辺りに、銃のような膨らみも見える。


「カラ・ムナン。質問をいいですか?」


「あぁ、いいぞ。それとムナンって呼んでくれ」


「感謝します。では…ムナン、なぜそんなに武装しているのですか?」


ムナンは突然立ち止まり、驚いた表情をしながら振り向き、僕の顔を見る

そして不安そうな声で話し出す―


「おめぇさん…なんも知んねぇのか…?」


「?え、えぇ…何も…」


「んー…ひとまず俺らの基地にすぐ向かうぞ、そこで説明してやる。それと…」


ムナンは正面を向いていたが、顔だけ少し僕の方を向け、横目でこう言った―


「ぜってぇに警戒を解くんじゃねぇぞ。いいか?絶対だ。」


「あぁ、わかった…では少し待ってもらえますか?」


「ん?おぅ」


自分の頭の中に自分で語り掛けるように、心の中で喋る


(なぁ、今この場ですぐに戦闘形態になれるか?)


【可能です。ですが、敵を攻撃することは許可されていないので、戦闘形態での逃走となりますが、それでもよろしいですか?】


(なら逃走形態へ移行してくれ。)


【逃走形態へ移行のリクエストを確認。受理しました。これより逃走形態へ移行します。】



ガチャガチャガチャ…



カチ…カチカチ…



フシュゥゥゥゥゥ…



ガチッ!



【識別名サナの逃走形態への移行を終了しました。】


「へぇぇぇぇ、大したもんだな。それがレオパルドの戦闘形態かい?」


「いえ、これは逃走形態です。マヒナより戦闘を許可されていませんので」


「そうか、じゃあ行くぞ」


「はい」



2人で再び歩き出し、ムナンの仲間がいる基地へと移動を始めた―

第7話 不知者。


読んでいただきありがとうございます。


更新ペースがかなり不安定ですみません…


ですが、一日1話、大体夜に更新するようにいたします!


ご意見、ご感想があればいつでもお待ちしております!

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