悪魔。
遠くにいた人影
会話を聞いて情報を集めようと、聴力機能を拡張し
耳を澄ますサナ
だが電波が干渉し、うまく聞き取れず
マキナに解析を頼むと、その会話内容は
戦闘兵機を殺せ。
レベル0は捕まえろ
という内容だった
伝えようと二人の方を見ると姿がなかった。
その直後、マヒナからメッセージが届く
サナは即座に解読、内容の意図を掴み、行動へ移す
アーマスと合流しないと…!
(マキナ!)
『承認いたしました。レブナンを使用。近接進撃型カラーテイク専用形態へと移行します。』
シュッシュッ―――カチャッ
(座標位置に)
『承認しました。設定座標への瞬間移動ユミマスを行います。』
――――ピー―――
「!!
戦闘兵機レオパルド発見!侵入したものと思われます!」
(!戦闘能力を使った瞬間にバレた?!
探知系の装置があったか…!)
「逃がすな!!!」
――シュン――
「消えっ?!くそ!」
「落ち着け、お前ら」
「だ、大隊長…」
「あれは瞬間距離ユミマスか、戦闘兵機レオパルドの瞬間距離ユミマスは座標を決めなければ
実行できないはずだ。
スパイがいないことは確認済み、中には入られちゃいないさ」
「で、でしたら…」
「死ぬ気で探せ。じゃなけりゃ俺がお前らを殺す。」
「かしこまりましたぁ!!…」
ほう…
聖様の仰っている事が本当ならば
瞬間移動できる戦闘兵機レオパルドは特進のみのはず。
遠距離狙撃型ディスタンシャテイクはこちらで確保済み。
近接進撃型カラーテイクと神化型ディヨステイクは行方不明…
だが神化型ディヨステイクの情報とは見た目が違っていた
ならば…
―ザッ…
「こちら第二殲滅隊大隊長ラバナン。
本国へ侵入した戦闘兵機レオパルドは近接進撃型カラーテイクと断定。
第一殲滅隊の用意を」
―ザッ…―
「…こいつはどのぐらいで本国の言いなりになるかな」
――シュン!――
『瞬間移動ユミマス完了しました。』
「……ここが…?」
周りより少し低く、窪んだ土地に着いた
確かに偵察をするならもってこいの場所だが
人の気配がない
(マキナ、人がいた形跡はあるか?)
『確認中………
カラ・ムナンと思われる人間の血痕を確認
同時に機体名:アーマスの物と思われる部品の電波を受信しました。
マーキングしますか?』
(いや、マーキングはいい。バレたらまずい
アーマスの部品だけどこにあるか、ポインターを付けてくれ)
『承認しました。』
カチッ
…なんだ
なんで30㎝も埋められているんだ…
敵部隊に襲われて、隠された?
いや、乱闘した形跡もないし、敵部隊なら情報源として
持ち帰るんじゃないか…?
まてよ
マヒナとタオが消えた時、物音ひとつせずに消えた。
跡もない。
そういう装置をもっているのか?
だとすれば、これはアーマスが自分で埋めたのか?
いろんなことを考えながら、サナは埋められた部品を
静かに掘り出す
(あった……けど、何だこれ)
『恐らく、アーマス自身の記憶を格納するパーツだと思われます。』
記憶の格納…アーマスの…
特になにか考えがあるわけではなかった。
だけど自然と
サナは自分の右手を伸ばし触れようとした
そう、取るのではなく
触れようと。
―――ビリッ!―――
「!?」
触れた瞬間、サナの身体に電撃が走った。
「ナ……サ………01!」
「ん…な…?」
なんだ、これは
「い……え…よ」
「ぼ………ない……ば」
これはアーマスの記憶?
いや…
「01よ………サナ……て……絶…」
「……かな…」
これは、僕の記憶だ。
でも、ちゃんとは思い出せない。
過去の記憶が消されたからか。
でも…
「お………θ!」
「…つい……α…」
間違いない。
僕が、僕らが造うまれた時の記憶だ。
ビビッ!!
「っは…」
アーマスの記憶格納パーツに触れた瞬間
僕の記憶が再現された。
なぜアーマスの記憶じゃなく、僕の…
「逃走した戦闘兵機レオパルドを発見」
「!」
(そうだ、忘れてた
敵部隊に狙われていたんだった。)
『現在の向きより4時から8時の方向にかけて12人。
11人は距離15m。もう一人は6時の方向、距離18mです。』
(最速でアクタガスを撃ってもギリギリ届かないか…
会話で時間を稼ぐ。その間に全戦闘機能を解除してくれ。)
『よろしいのですね。』
(あぁ。)
「そこの戦闘兵機レオパルド!
貴様が特進の近接進撃型カラーテイクを知っている!
既にその対策をしてある!おとなしく強制停止しろ!」
「そこまで知っていて、多少対策すれば勝てると…?」
(殺気を出し威嚇)
―フォン!―
「…!!」
「なんて…凄まじい殺気だ…」
「ただの人間が、特進Sクラスの戦闘兵機レオパルドに
簡単に勝てると思うなよ…」
『全機能開放。リミッター制限100%』
シュッ――
「!?消えた!」
「ラバナン大隊長の無線通りだ!
周囲を警戒し「黙れ」
バシュッ
「……っ」
「……あ、悪…魔…」
「まずは一人……」
タオとの特訓により、マキナやレブナンの力を使わずとも
パングアプタの戦闘隊を一人で制圧したタオを
完全に見切れるようになったサナ
彼は今
自身の恨み
ラカスの人々の恨み
そして、戦闘兵機レオパルドの恨みを持ち
「ほら…」
使える力をすべて使い
「対策したんだろ…」
現国家戦闘力1位の第一殲滅隊を
蹂躙しようと決めた。
「殺してやるよ。」
最強最弱の戦闘兵機
20話 ご覧いただきありがとうございます。
ここにきて戦闘兵機が戦闘兵器になっていることに気付きました
度々修正していきます
また次回もご愛読、よろしくお願いいたします