思考。
タオとの特訓を繰り返している間に
サナはレブナンやマキナに頼らず、自らの力で
3発当てることが出来るようになっていた
それを見たマヒナは
この戦闘能力なら大丈夫だろ
そう判断し、予定より少し早くムナン達と合流することを決める
最後のポイントから移動してから1時間ほど歩いたところに
ムナン達がいる偵察ポイントに着くらしい
領土的には既にユナに入っているらしいが
今のところ人の気配や、戦闘兵器レオパルド含め機械の存在はない
だが突然、前を歩いていたタオが立ち止まり
左手で止まるよう合図する
「1時。方向。3人」
その方向を見ながら、サナとマヒナに手話で伝える
「このまま進む。慎重に。
見つかったら。迎撃。私と。サナ。」
タオはものすごく慎重だ
瞬きを一度もせず、ずっと一時の方向を見ている
足音を立てずにゆっくり、慎重に、着実に
目的地へ再び歩み始める。
「―――――」
相手の声が微かに聞こえる
(マキナ、聴力機能拡張を)
『承認しました。聴力機能を拡張します』
「マヒナ、タオ、少し待ってください……」
小声で二人を呼び止め、会話が聞こえるかを試す
目を閉じ、耳を澄ます
「ユナ―浸―す」
「戦闘兵器――レべ―0―」
「レベル0は――戦闘兵―殺せ」
(ちゃんと聞こえない…
電波で邪魔されている感じだ…マキナ、解析できるか?)
『解析中……不明部分は予測変換します。
ユナの領土に侵入者がいます
戦闘兵器レオパルド1機、レベル0が2人
レベル0は捕まえろ。は殺せ
このような会話をしていたと推測します。』
大体検討はついていたが、まさかユナに入ったことが
バレているとは…二人に伝えないと
そう思い目を開け二人の方を見る
だが誰もいない。
マヒナとタオの気配が周辺から
完全に途絶えた。
僕の声が聞こえなかった?
いや、目を閉じる前に二人が止まったのが見えた。
勝手に進んでいくような人間でもないし、足音なら聞こえてるはず
『マスターからのメッセージを受信しました
内容をお伝えしますか?』
(頼む)
『直接データへ転送します。
Ligtas tayo
Sumama sa tatlo
35.01833
139.5986』
旧ラカス語?
と、これは……座標か?
(マキナ、翻訳できるか?)
『翻訳します……
俺らは無事
3人に合流
35.01833
139.5986』
(ありがとう)
考えろ。今の状況を、このメッセージから
全て!
まずマヒナは確定で無事だ
旧ラカス語を読める人間はそういない。
マヒナが打ったと考えるのが妥当だ
俺「ら」は無事
嘘をつく必要はない、マヒナが打っているなら
タオも無事と考えて間違いない。
そして旧ラカス語を選んでいるあたり
敵に捕まり、連絡内容はバレたくなかった
だが自分たちの座標ではなく、ムナン達の座標を送ってきている
僕一人で救出に向かえば不利だから?
戦闘兵器の僕が不利なら、ただ3人と合流しても
状況はあまり変わらない
ならば目的は……
アーマスだ。
アーマスはマヒナでも出来ない技術力を持っている
それは恐らく、カラカルに迎撃プログラムを書くこと以外にもあるはず
生活補助機は登録されていない工具なども危険物と判断するが
アーマスは違法改造され、危険物を持てるようになっている
そして、助けるためには専用の工具と高い技術力が必要
暗号解読、合流させて状況を説明、場所を特定、救助
これだけクッションを挟むなら
この流れにある程度時間に余裕がある
なら、二人に命が危険が迫っているわけではない
恐らく情報を得るために生かし、捕まえているんだ
先日マヒナが言っていた
レベル所持者を殺せば国民からの支持がなくなる と
レベル0の二人を殺さない理由
情報を聞き出すために違いない。
……今すべきことは
サナは確かに変わっていた。
それは機械という壁を越え、人間の心を持ったから。
だが、完全には捨てきれていない機械の心があった。
合理的な思考、一番高い可能性の選択
サナはそれらを、自覚しないまま完全に操っていた。
その結果、マヒナからのメッセージを確認し、自分のすべき行動を
実行に移すまでの時間
実に、0.001秒
「アーマスと合流!」
最強最弱の戦闘兵器
19話 ご覧いただきありがとうございます
僕はサナが推しなんですよね…
好きなキャラには言わせたい事を言わせたくなりますね
僕の思考にならないように気を付けないとですね()
また次回もご愛読、よろしくお願いいたします