記憶。
サナは元特別型戦闘兵器:近接進撃型 Sクラス
通称「特進」のSクラスだった
そして、サナのような感情を持った戦闘兵器はAクラス以上の
全戦闘兵器が持っていた
だが感情持ちの戦闘兵器は廃棄処分が決められていた
感情を失っても廃棄されていない戦闘兵器がいることに
サナはマヒナ達に言及する―
「マスター、先程感情を持つ戦闘兵器レオパルドは
廃棄処分される話があったとありましたが…」
「α達やθが何故、廃棄されていないか。だろ?」
マヒナはつくづく凄いと思う
何故こんなにも僕が考えていることが分かるのだろう
そういう装置でも持っているのかな…
「彼ら4機含め、感情持ちは廃棄前にレベル3の奴らに買われた。
そして廃棄しない代わりに、感情を消すよう命令したんだ」
「……では何故僕は処分場に感情を持ったまま
捨てられていたんでしょうか」
「感情持ちの戦闘兵器レオパルドは全7機いた
そのうちの4機がα,β,γ,とθ
残り3機のうち2機は現在消息不明
あと1機が」
「僕……ということですね」
「そう、そして感情消去が確認されているのは、α達4機のみ
サナ含めた3機は、感情消去できなかったんだ。」
「なぜですか」
「3機とも、特Sクラスだった
そして3機とも、独自のプロテクトをしていて
感情消去のソフトを弾いていた」
「そんなこと…いつしたんだろう…」
「感情は消せなかったが、記憶消去まではした形跡がある」
「だから僕は、処分場に来るまでの記憶がないんですね…」
記憶消去は出来ても感情消去は出来なかった。
だからレベル3の人間に買われても、捨てられたのか
…それなら僕は
「マヒナ、僕は記憶を取り戻したいです」
「これから取り返しに行くんだ」
「え?」
「マヒナ…サナちゃんに言ってなかったのか」
サナちゃんという呼び方がさっきから気になるが
後回しにしよう…
「サナ、これから3人で、Aクラス以上の消去した記憶・感情の
バックアップデータが保管されている倉庫へ向かう」
「強襲するんですね」
「その前に、ムナン達と一度合流して、情報交換しよう」
ここからユナの偵察をしている3人の元には…
逃走形態で移動して30分ほど
あと13日…いや、10時間以上過ぎているから
あと12日か
そんなに急いで合流するような状況には思えないけど…
「マスター、そんなに急ぐ必要がありますか?」
「あぁ、歩いていくからな
飛んでいけば間違いなくバレる。
そして、サナの特訓をしながら進みたい」
「マスターがそういうなら…」
マヒナ、あんたの考えていることはわかるけどさ…
いくらなんでも、今のサナちゃんを究極機にするのは
あまりに酷じゃないか…?
「まずは移動しよう
今日行きたいポイントまで移動したら、特訓を始めよう」
こうして僕ら3人は、移動を始めた
歩いて既に2時間
結構歩いてきたけど、まだ着かないのか…
「さぁ、二人ともついたよ」
「ほぉ、よく用意したな」
「…大丈夫なんですか…これ…」
何か建物があるわけでもなく
直径10mほどの円形に草木が刈ってあり、中心に何か置いてある
「大丈夫だよ、ここはアーマスに作ってもらった」
「アーちゃんに作ってもらったのか!
なら安心だな」
「そうなんですか?」
「うん、アーマスは敵を識別して、迎撃するシステムを作れる
それをカラカルに組み込んで中心に埋めている
俺もやってみたいけど、出来なんだよなぁ」
マヒナでも出来ないことなのか…
「じゃ!サナちゃん!
特訓しようか」
「これだけ歩いた後ですよ?
休んでからでも大丈夫です」
「私が戦闘兵器レオパルドとやりたいんだ!」
「………マスター…」
「大丈夫だよ
さぁ、レブナンを使うんだ」
(そこまで言うならいいか…
マキナ、レブナンを起動、出来る?)
『はい、いつでも起動できます
実行しますか?』
(あぁ、頼む)
『承認しました。戦闘用AI レブナンを起動します』
「サナ、今から言う事をマキナに伝えろ
リミッター100%、他戦闘用機能は閉鎖」
「はい」
(マキナ)
『はい、承認しました。
リミッター解除:100%
ウォカス機能:使用停止
パグサドック:使用停止
その他戦闘特化機能、全てロックします。
・・・完了しました。戦闘形態へ移行します』
フシュッ………シュルシュルシュル…………
『戦闘形態への移行、完了しました』
(カルウォーガンと戦った時と全く違うな…)
『こちらはレブナンに設定されていた
近接進撃型カラーテイク専用形態を使用しています。』
そうか
でも確かに、自然とこの形態には違和感はない
この形態が、元々の姿だったんじゃないかと思うほどに
それに、移行時間も極端に短い
それもどこか自分だっていう感じがする。
「タオ、準備出来ました」
「そうか、それなら……」
バサッ――――
「ッ?!」
着ていたジャケットを脱ぐと
とてつもなく鍛えられた身体が分かる
ある程度の予測ならできる。
その予測が正しければ、ムナンよりも数倍強い。
「やろうか」
「お手合わせ、お願いします」
『レブナンの完全起動を確認。
近接進撃型カラーテイク特化思考を機動、いつでも大丈夫です。』
「よぉーい…」
―――グッ―――
――シュゥゥ――
「始め!!」
最強最弱の戦闘兵器
17話ご覧いただきありがとうございます
この辺を書き始めてからずっと書きたいを思っていたので
テンションが上がってます()
もしかしたら今日、もう一話更新するかも…?
また次回もご愛読、よろしくお願いいたします