特進。
特訓するためにマヒナと場所を移したサナ
戦闘用AI レブナン のアップデート後に姿を現せた
マヒナと同じ『レベル0』のタオという名の女性
彼女の基地に入り、話をすることに
「で?何が聞きたいんだ?」
この二人なら答えてくれるだろう
そう思い、サナは口を開く
「お二人と、あともう一人の合計三人
この世界にいるという『レベル0』とは、一体何なのですか」
「俺らレベル0は、元からっていうわけじゃない
俺は元々レベル2、タオは元々レベル1だった」
「マスターは武力と地位、どちらを持っていたのですか」
「俺は地位を持っていた」
「…失礼ですが、タオさんは武力を持っていたのでは…」
「タオでいいよ
…そうね、堕とされて…奪われて・・・・から鍛えたから」
堕とされる
奪われる
落後者
どれも意味は繋がる言葉だ
落後者ということは、何か賭け事や勝負があって
それに二人とも敗けたのか…?
タオは分からないけど、マヒナまで敗ける賭け事…?
「堕ちるとか、奪われると言っていますが
一体何をしたらその対象になるんですか」
「……マヒナ、お前の方からのがいいだろ」
「あぁ…サナ、考えすぎたりしないで
この言葉の通りで受け取ってほしい」
「…はい」
今のタオ、マヒナの言葉で
なんとなく察することができた
戦闘兵器レオパルドの僕に、落ち着いて聞いてくれと
頼むという事は、戦闘兵器レオパルドに関係することで間違いないだろうな。
おそらくレベル0になるのは…
「レベル0になるのは
戦闘兵器レオパルドの製造を提案、及び責任者の人間だ」
やはり、そうだったのか
初めてマヒナと会った時、マヒナも僕も処分場に居た
普通の人間が入れるようなところじゃないし…
「自らの国家戦闘力を上げる案を出した人間の
レベルを奪う…一体なぜそんなことをする必要が…」
「戦闘兵器レオパルドの製造は、決して容易ではなかった
かなり高い技術力もだが、資源の問題もあった」
「この計画が失敗した時、レベル持ちを殺せば
国家問題に発展し、国民支持を失ってしまう
それを回避するための『レベル0』所謂、人権剥奪者だ」
「自分の国を守るために、生き残るために
戦闘兵器レオパルドの製造を提案したのに、人権を奪われるなんて…」
ラカスにいるレベル3は非人道的な人間しかいないのか。
そんな奴らにマスターも、タオも、あと一人も
逃げることを余儀なくされ、更には今命を狙われている。
「…守ります」
「サナ?」
サナは元からマヒナを守ると決めていた。
だがそれは『狙われている』という漠然な理由だけだった
それが今『僕にしか守れない』のだと、サナの中で
決意が変わっていた。
「僕が絶対、マスターも、タオも
もう一人のレベル0の人を、守ります!」
「…サナ?」
「マヒナ、これって…」
「あぁ……サナは」
サナは確かに冷静ではあった
でもこの時には既に『機械の心』はなくなっていた
そして、元々そこにあったものが無くなり、穴となった
そこを新たに塞いだのは
「サナは、機械と人間の狭間にいる。」
「でも、泣くなんて……もしかして、サナって特進じゃ…」
人間としての心だった
「…そう、サナは『元特別型戦闘兵器:近接進撃型エスレサルレオパルド カラーテイク Sクラス』
通称特進だった」
「Sクラス……だから、人間の心を…」
「……マスター…ぐずっ…特進ってなんですか…」
「戦闘兵器レオパルドは元々ランク付けがあった
通常機体の Bクラス
上位機体の Aクラス
特進機体の Sクラス
ここから更に小分けになるけど…今はいい
そしてサナは、一番上のSクラスに居たんだ」
「マスター、知っている限りで大丈夫です
僕がその特進から、なぜ処分場へ廃棄されたのでしょうか」
「俺が知っているのは、感情持ちの戦闘兵器レオパルドを処分する
それ以上も以下もなく、ただその話だけだった。」
「感情持ちっていうのは、何機程度居たのですか」
「Aクラス以上の戦闘兵器レオパルド全てだ
Bクラスは必要なコストだけで、よく言えば純正品で止まっていた」
恐らくα達や、カルウォーガン
彼らのような真っ当な戦闘兵器レオパルドがBクラスなのだろう…
「ということは、感情持ちのはもう…」
「元、感情持ちならいる
サナが今考えていた奴ら全員だよ」
「え?」
「…私は分からないから、教えて欲しいんだけど…」
「α.β.γ.θの4兄弟だよ」
「あいつらか…
でもサナが知ってるってことは」
「一回だけ会ったんだよ、θは壊したみたいだけど」
「そうか、まぁそれが正解だな
α達も壊したのか?」
「いや、彼らはまだ戦っていない
その時はまだ勝てる能力がなかったから」
「そうだったのか…
サナ、θと戦っていた時、何か言っていたか?」
「マスターへ指示を求めていたり、僕の戦闘機能に対して
どこで手に入れた。となにか意味深なことを…」
「マヒナ…」
「うん、恐らく間違いないね…
そっか、ありがとう。教えてくれて」
「いえ、大丈夫です」
「サナちゃん、θが言っていたどこで手に入れたって
どんな機能使った時なんだ?」
「アクタガスという、貫通弾式の銃弾でした」
「アクタ…禁止能力だったよな…マヒナ」
「サナ、君はすごいね
削除されたはずの戦闘プログラムを自ら修復したんだね…」
「それなら、レブナンもすぐ扱えるよ」
「そうですか…」
気になることが幾つもあったけど…
まぁ、今はいいか
みんなを守るために、僕が強くならないと。
「クッソ……いてェな…
おい、ガリン……生きてっか?」
「………」
「……ハァ…アーマス…」
最強最弱の戦闘兵器
16話 ご覧いただきありがとうございます
こんなに自分が書けるとは思っていなかったので
今になって作品名に少し後悔してます
だって、どこかのバハム●トじゃないか
後書きで懺悔します
また次回もご愛読、宜しくお願いします