苦慮。
みんな、準備しろ
各々の持ち物、気持ちを整理し
戦争の火ぶたが切られる来月、9月1日に向けて
二手に分かれることになる。
最後の気持ちを整え、マヒナから告げられる
「絶対死ぬな」
それは…
「出るぞ。」
ガチャ………ギィィィィィィィィ………
全員で外に出て、なぜか同じ行動をとってしまう
振り返り、基地に別れを思うのだ。
「じゃ、また13日後に」
「あァ」
「はい、また」
「またね、マスター
サナも!またね!」
「うん、またねアーマス」
「二人も、お気をつけて。」
「あいよ」
「はい、そちらも」
不思議と、寂しくはない
少し悲しいけれど、今は平気だ
マヒナが横にいるからというのもあるかもしれないけど
あの三人なら、確かに死なないと思った。
だから、僕は僕のことに集中しよう。
「マスター、戦闘用AIっていうのは…」
「特訓する前に、場所を変えよう」
「…そうですね、どこに行きますか?」
「ラカスに戻る」
「……死にかけたのを忘れたんですか?」
「今のあそこには誰もいないよ
それに、ラカスって言っても端もいいとこだ」
「それなら…」
(マキナ、逃走形態へ移行、頼む)
『承認しました。機体名:サナの逃走形態への移行を
開始します。』
シュゥゥゥゥゥ――――
「…」
「さぁマスター、背中に」
「あぁ、頼む」
『移動を開始します。』
ドンッ!!
この感じ、ラカスで大爆発があった時と同じ感じだ
でも少し違う、マヒナが生きている。
一緒にいる。
なんだかそれだけで、安心する
数十分飛行していると
「サナ、あそこだ!」
「わかりました」
フシュゥゥゥゥゥ――――――
「おぉ、静かに着地も出来るんだな」
「そこを褒められてもあまり嬉しくありません」
「別に褒めたわけじゃねぇけどな
よし、この辺なら大丈夫だな、やるか」
戦闘用AI…一体どんなものか分からないけど
必ず扱えるようになって、みんなを絶対守るんだ。
そのためにはまず……
「マスター、まず最初は体の動かし方からですか?」
「このUSBをさしてアップデートする
半日ぐらいしたら入ってるよ」
「…」
「ど、どうした…落ち込んでんのか…?」
「えぇ、まぁ…特訓と聞いて少しワクワクしていました…」
「なるほどね……アップデート終わったら、体の動かし方とか
戦い方を特訓するから、大丈夫だよ」
「そうでしたか、ならよかったです」
良かった。
自信満々にアップデートだけして終わるのかと思った
「じゃ、さすぞ…」
カチッ
『機体名:サナに戦闘用AIプログラム『レブナン』を検知
インストールしますか?』
(あぁ、頼む)
『承認しました。これより『レブナン』のインストールを開始します。
容量が膨大な為、再起動を使用してのインストールになります。
再起動予定は10時間後です。』
「マスター……お気を…付け………t…」
「サナ、やっぱ君は優しいんだな…」
「そいつか?マヒナ」
「あぁ、そうだけど
なんでここにいる、タオ」
「いや、近くにいただけだよ」
「ま、ここはお前の基地近くだもんな
俺の方が何でここにって感じだな」
「そういうことだ、どっか行けとは言わんが、中には入れられないぞ」
「俺らは外でいいよ、元からそのつもりだ」
―10時間後―
『インストール、及びアップデートが終了しました。
これより、再起動を行います。』
カチカチカチカチ………ピー…
ガバッ!!
「マスター!」
10時間もの間、武装しているとはいえ、一人でいたマヒナを
心配し、起動直後に起き上がる
「うぉ、サナ、おはよう」
「ご無事で何よりです。
早速ですが、近くに一人隠れています。9時の方向です…」
「そいつなら大丈夫だ……おぉーーーーい、起きたぞぉーーー」
「呼ぶんですか!?」
「おぉ、起きたか、サナさんよ」
この女…
服のせいで一見華奢で背の高い女にしか見えないが
よく見れば筋肉がある…筋繊維が細いのか
普通の筋肉で考えれば、ムナンより…
「紹介するよサナ、彼女はタオ
俺と同じ『レベル0』の落後者だよ」
「…レベル…0…」
「落後者か、間違ってはいねぇけど…
なんか嫌だな。」
「それはすまない」
マヒナ含め、この世界に存在するたった三人の『レベル0』
ここで聞くべきか
「マスター、レベル0とは一体何なのですか?」
「それを話すためにここに来た」
「その為なら、私の基地に入ってもいいけどサ……
ハァ、最初から言ってくれよマヒナ」
「悪い悪い」
そう言いながら、タオは自分の基地へと案内してくれた。
本当に近い場所だった
先程居た場所から、歩いて3分程度で着いた
「さ、中入っていいよ」
中はすごく綺麗に掃除されていて、武器もキチンと
整理整頓されている。
「ほら、この椅子座りな」
「ありがとよ」
「有難う御座います」
「……で?」
この二人なら答えてくれる
何故かそう確信している
それならば、単刀直入に聞こう。
「レベル0って、何なんですか?」
最強最弱の戦闘兵器
15話 ご覧いただき有難う御座います
また次回もご愛読、宜しくお願い致します