第12話
side:アガレス
全くなんだこれは...
ヴェールが「なんとかできる」といったから、行かせてみれば、両軍の兵士がきれいに壁で分けられているではないか。規格外にもほどがある。
しかし、これほどの実力を持つものがなぜ今まで僕が、いや世界が知らなかったんだ?
彼の出自について調べる必要があるが...とりあえず今はやめておこう。下手に彼を敵に回すような真似はしたくないからな。
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いやー、やっちゃったね。これはまずい。初めてあんな大規模な魔法使ったからな。出力調整マジでミスった。
ま、まぁ戦いは止めれたし、及第点ってことで
「まったく、そなたはどれほどの実力者なんだ?」
「分からないですね。正直今までまともに人と戦ったことは無かったので」
「まぁ、ダンジョン内でかなりの長期間居座っていたらしいからな。かなりの実力があるとは思っていたが...
これほどとは」
「ありがとうございます。まぁこの話はあとですることにして、とりあえずどうします?このあと」
「わかっておる。ここまで大規模な魔法を使ったんだ。しばらくは双方戦っている今などなかろう」
「殿下、ということは!」
「ああ、王城に乗り込む。姉上とは話を付けねばな」
こうして俺たち一行はスリステムの王城に向かっていった
「お、王子。あれですか?城って」
「ああ、この馬車を下すことは可能か?」
「大丈夫ですよ。あ、でも一応皆さん!何かにつかまっていてください。怪我してしまうかもしれませんから」
俺は馬車全体を風で覆い安全に城の敷地内に着陸させた
「ついたのか?ヴェール?」
「はい。ところで...俺らの周りにいる奴らはどうしましょうか?」
当たり前のことだが上空からいきなり降ってきたものを不審に思わないものはおらず、馬車は囲まれていた
「ここに居るのはおそらく全員姉上の部下であろう。倒してもらえるか?ただし殺さないで欲しい」
「了解です」
俺は馬車から飛び出すと、バックから木の棒を取り出した
「貴様らは何者だ!?」
「アガレス王子に雇われた護衛さんだよ。アガレス王子からは殺さないで欲しいって言われたからね。気絶してもらうよ」
「ほざけ!おまえら!陣形を組み死した王子の護衛を名乗る不届き物を殺せ!」
兵士たちは陣形を組み全方向から襲ってきた
「多対一なんて恥ずかしくないの?棒術<響鳴慟地>」
俺が地面を強くたたきつけると地面を伝って兵士たちを揺さぶった。もちろん王子たちにはダメージが入らないようにしたよ
「な...なんだ、これは...?」
「お、さすがリーダーっぽいだけあるね。これは地面を揺らすことで相手の体内の魔力を揺さぶるんだよ。もちろん地面も揺れてるから並大抵の精神力じゃ耐えられるはずないからね」
「そう...か...」
その言葉を最後にリーダーさんは気絶してしまった
「ヴェール殿。彼らを殺したのか?」
王子は馬車から出てきて俺に聞いてきた
「殺してないですよ。気絶してるだけです。この技全く殺すことに向いてないんですから」
「そのようだな。気遣い感謝する」
「命令ですから」
「殿下。行くのですね?」
「ああ、姉上と話を付けてくる」
王子は覚悟を決め王城に入っていった
そしてついに王の間の前にたどり着いた。どうやら先ほど出てきた兵士がほぼすべてだったようで王の間に行くまでたいした戦闘もなかった
「姉上。入らせてもらうぞ!」
そういってドアを勢いよく開いた
「やぁ、私の愚弟。良く生きてたねぇ。てっきり私は死んだものだと思っていたよ」
中にいたのは、普通の人間と全く違った邪悪な魔力を纏った女が王座に居座っていた
「姉上はかつての聡明さを失われてしまったようで、今は汚い女狐にしか見えませんよ」
「言うようになったな、アガレス」
二人が遠回しなけなしあいをしていると
『マスター。ご報告いたします。彼女が放っている魔力、明らかに異質です。人間が放つものではありません。
そして、彼女の魔力の中にかすかに感じた程度ですが、女神の魔力を感じます。鑑定スキルをお使いください。』
『了解。鑑定』
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デウス・エクス・マキナ
種族:機械神
性別:なし
年齢:なし
<ステータス>
Lv.1000
HP.1,000,000
MP.1,000,000
ATK.1,000,000
DEF.1,000,000
INT.1,000,000
RES.1,000,000
DEX.1,000,000
AGI.1,000,000
LUK.1,000
<スキル>
大地魔法Lv.8
風魔法Lv.7
炎魔法Lv.9
雷魔法Lv.10
隠蔽Lv.7
<称号>
女神の守護者
女神の加護
服従の呪い
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やっぱ女神関連だったか
しかしどう対応しようか...
「して、貴様見ない顔だな。それにこの魔力量。人間か?」
王女様が急に俺に話を振ってきた
まぁちょうどいいか。
「人間ですよ。あなたと違って」
「ほう、それはどういうことかな?」
「どうもこうも、あんた機械神だろ?あいにく俺のスキルはあなたの隠蔽スキルのレベルの上を行っていたようで」
「それで、貴様ごときでどうにかなるとでも?」
王女は焦っていた。なぜこのようなものが自分の隠蔽を看破できたのかと。しかしこの時の王女は気付けなかった。目の前にいる人物が時分より格上であることに
「どうにかなりますよ。とりあえず外行きましょうか」
俺は地面を蹴り最速で王女のもとに突っ込みそのまま外に殴り飛ばした
「そなた!さっきから何を!?」
「まぁ、外みりゃ分かりますよ」
そう言われた王子が外を見ると
「な、なんなんだあれは...?」
外にはさっきまでアガレス王子の姉のふりをしていた、機械神サマが飛んでいた
「それが本当の姿なんだな。王女サマ、いやデウス・エクス・マキナさん?」
「き、貴様ぁ!!この私に奇襲を仕掛けた罰この場で受けさせてやる!」
「そいつは願ったりかなったりだ!」
こうして、小鳥遊宗太は異世界にて初めての女神の使徒との戦闘を始めた