第9話
「へいへい、ヘルメスさーーん俺3日ぐらいは知ってるけど、アウステカ連邦に近づいてる感じがしないんですけど?」
『お言葉ですがマスター、貴方様が待機していた霊樹からアウステカ連邦まで直線距離で行っても馬車でひと月以上かかるんですよ?いくらマスターが速いと言ってもあと1、2週間はかかりますよ。もっと考えて質問してください』
「はいはい。ってかさぁ。最近当たり強くない?」
『気のせいですよ。』
「そっかぁ。お前的には気のせいの範疇かぁ」
『はい』
くっそ。いつか絶対直接文句言ってやる。
『聞こえてますよ?』
「わざとだよ。わざと。」
『いつかそうなるといいですね』
「分かりましたよー。ヘルメスさーーん」
そんな雑談をしながら走っていると
『マスター。300メートル先に人間とモンスターの反応が』
「それは敵対中?それとも友好に接してる?」
『敵対の可能性がかなり高いです』
「了解。急ごうか」
俺は魔法で全身に風を纏わせその場所に向かっていった
「ヘルメス。見た感じ襲われている男性一人に敵対しているモンスター6体でOK?」
『いえ、あの男の者と思われる馬車の中に生命反応があります』
「はいよっ!」
「クッここまでなのか!」
「すいません!助太刀に来ましたぁ。今どうゆう状況ですか?」
「きみは!なぜここに来たんだ!?逃げるんだ!はやく!」
「あー、ちょっと話聞きたいんで一回落ち着きましょうか」
「何を言って「光魔法〈万霊の天秤〉」なっ」
俺の魔法が光となって外敵から守る盾となった
「これで話せるでしょ」
「あ...あんたはいったい?」
「あー、えーと旅をしている人です」
何言ってんだ俺ぇ。こんなとこでコミュ障発揮してんじゃねぇよぉ
「何を言ってるんだ?」
やっぱり言われた~~~
「あ、あれです。自分探しの旅してるんです」
「そう...なのか。」
「わすれてた!これどういう状況ですか?」
「そうだった!端的に説明します。今私たちを襲っているのは少し前までこの場所の中にいる方の護衛メンバーです」
「それが、何でこんな状況になっているんだ?」
「彼らはおそらく数年前にはやったドラッグが使われています。」
「ドラッグ?」
「はい、人間にはあまり効きにくく、魔族やエルフ、ドワーフといった特殊な魔力を持つものにその効果を発揮する。そういったもので、彼らはわれらが主人の父上がガリュミーズにて雇った専属の護衛だったのですが」
「なにものかがそのドラッグを護衛たちに使ったと?」
「はい、おそらく」
「なるほどね」
『ヘルメス?あのドラッグ解毒できる?』
『動きを止めれば確実かと』
「了解」
「な...きみは...何をするつもりなんだ?」
「彼らの動きを止めて、解毒します」
「できるのか?」
「可能です。任せてください」
「頼む」
俺は自分の魔法の範囲外に出ると暴走してるやつらの鎮静化を開始した
「こっちだ!」
「「「「ウガァァァァァ」」」」
護衛たちは俺を囲むように襲い掛かってきた
「まずは抑え込む!大地魔法〈精霊たちのお遊び〉」
魔法を唱えると護衛たちの足元が泥となり動きを止めた
「気を失うだけだからな!闇魔法〈望みへの誘い〉」
「「「「うっがぁ...」」」」
「これで動けないな?よし後は一体づつ解毒するだけだ」
「もう終わったのか...?」
「はい。もう大丈夫ですよ」
とりあえずは落ち着いたかな...