第8話
やっばい。普通にクリストフとの約束忘れてた。どーしよう。なんというかこの数か月「ゲームのレベル上げみたいで楽しー」とかしか考えてなかった。
よし、とりあえず意識を切り替えるために一回瞑想しよう。
「ふーーー」
さぁ意識を無に...
「全く君はバカなのか?何か月も無駄にして」
俺は突然話しかけられ、瞑想を止められた
「だ...誰だ!」
俺の周りはどこかで見たことのあるような光で包まれた空間だった。そして目の前には神々しい美少年がいた。
「まぁいいや。初めましてだからね。自己紹介をしよう。僕の名は月読命。あのおせっかいな姉の弟だよ」
目の前にいた美少年はそう名乗った
「ほ...本物の月読命さまでしょうか。」
「そうだよ。君は小鳥遊宗太だっけ?」
「はい」
「正直あんまり長く入れないからアマテラスからの伝言の続きを言いに来たよ」
「どのようなことを仰られたのでしょうか?」
「女神ヴァールには何人もの守護がいる。それらを倒さなければ彼女にはたどりつけない。今からその守護達の名を告げます。守護の情報はヘルメスに伝えておいた。以上だ。何か質問はある?」
「アマテラス様がここにきておられないのは何かあったからでしょうか?」
「その通りだよ。アマテラスは君に多くの力を使ったからね。今は休んでいる。当分は僕が伝えに来るよ。
アマテラスもだが僕も一応君には期待してるからね。くれぐれも醜態を晒さないように。じゃあね」
「ありがとうございました。」
そう言って俺の意識は現実に帰ってきた
『お疲れさまです。マスター』
「うん。ヘルメス、ツクヨミ様から得た情報は理解したか?」
『もちろんです。』
「よし、今からそれを踏まえた上でプランを立てていく」
『はい』
優先事項は二つ
クラスのみんなの救出、女神ヴァールの打倒だ。
まぁどう考えてもクラスメイトの救出が優先になりそうだが...
あとは女神ヴァールの打倒には守護を倒さなきゃいけないっていうのはなんでだ?
おそらくその守護のやつらが女神ヴァールの所に行くために必要な情報を持ってるんだろうな。そこらへんは今度ツクヨミ様に聞こう。
なんにせよ、まずはクリストフに連絡を取れなきゃ意味が無いしな。
「ヘルメス、この世界に手紙ってあるんか?」
『存在します。しかし、手紙を出すには何かしらの身分証明をするものが必要です。一応身分証明書になる物の例を挙げると冒険者ギルドのギルドカードがそれに当てはまります。』
「冒険者カードか。ありがとうヘルメス」
『どういたしまして』
冒険者ギルドか。しかし、このままフリスト王国に行くのも危険だしな。ってなると他の大陸か。
クリストフに聞いた情報だがこのフリスト王国があるのは西方の大陸に存在する国で、ほかにも四つの大陸があるとのこと。ちなみにヘルメス曰く俺が拠点にしてるこの樹はどっちかと言えば北方の大陸よりらしい。
なら北方の方に行った方がいいな。
「ヘルメス、北方にある国ってどんな国なんだ?」
『はい。北方の大陸に存在するのはアウステカ連邦です。彼の国は極寒の地に存在する多くの国家によって形成された国です。現在は中央国家スリステムという国がこの連邦のトップです。ちなみにこのスリステムを中心とした国家体制は100年以上の間変わっていません』
「100年か。そんなに強いのか?スリステムって言う国は?」
『スリステムは強いのはもちろん、アウステカ連邦全体の6割の海上貿易の利権を持っているということもあります』
6割ってマジかよ。絶対にこの国に行っても厄介ごとに関わらないようにしないと。
とりあえず、アウステカ連邦がある北方の大陸をまわって守護についての情報の入手、それと冒険者カードの発行。この二つを目標にして動こう。
そうと決まったら行動開始だ!
次回はクラスメイトについての話を閑話休題として挟みます。
主人公の話はそれが終わってからです。
お楽しみに