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17 暴露と決断




「何でしょうか」

「今言ったことはマジなのか?」

「ええ。同性愛者ではありませんよ」

「そこじゃねぇよ! シュリヴァってやつとヤッたとか何とかって話だっつうの!」


 キレ気味になりながら有咲さんは言います。


「なるほど、その点ですか。確かに事実です。私はシュリ君と性行為に及びました」

「セックスしたってことだな?」

「はい」

「ケツの穴に突っ込んだのか?」

「はい」

「あの女の子みてーな奴にか」

「そうなりますね」


 私が誠意を持ち、正直に回答していくと、次第に有咲さんの表情が呆れと嘆きに染まっていきます。


「はぁ。おっさんがそこまで変態で下品な男だとは思ってなかった」


 そして辛辣な評価を頂きました。いえ、確かに有咲さんの言う通りなので、辛辣というよりは事実をありのまま突き立てただけに過ぎないのですが。


「まあ、おっさんが変態で下品だってのは分かってたことだけどさぁ」

「そうなのですか?」

「だって、事あるごとに自分のツバをアタシに触らせようとしてくるじゃん」

「あれは粘着液なので変態でも下品でもないのですが」

「うるせぇ! 言い訳すんな!」


 有咲さんに怒られてしまいました。理屈については納得しかねますが、私はキモいおっさんなので理不尽に詰られてもそれは仕方のないことです。ここは素直に受け入れましょう。


「ありがとうございます」

「なんでそこで感謝すんだよ!」


 有咲さんはキレて声を上げます。が、私が変態かつ下品であることを認めたからなのか、これ以上の追求をしてくる様子はありません。


「あの、乙木さん」


 有咲さんとの話にも決着がついたところで、松里家君が口を開きます。


「本当に、乙木さんは男同士は駄目なのですか?」

「ええ、そうですね。少なくとも、女性的な魅力をどこかに感じなければ食指は動きません」

「なるほど」


 松里家君は、何やら納得したような面持ちで頷きます。


「分かりました、乙木さん。確かに、乙木さんを振り向かせるのは難しそうですね。ここは一旦、諦めようと思います」

「そうですか」


 理解していただけたようですね。ありがたい話です。


「しかし、将来的にはまだ分からない。そう言っても問題はありませんね?」

「はあ。まあ、未来は不確定ですからね。断言は出来ません」


 松里家君の発言の意図が読めず、しかしひとまず話には頷いておきます。


「ならば僕は、その可能性に賭けます」


 そして、松里家君が拳をぐっと握り、立ち上がります。


「こうしてはいられません。乙木さん、今日は有難うございます。さっそく、王宮に帰ってから努力しようと思います!」

「そうですか、頑張って下さい」


 恐らく、協力関係についての話でしょう。しかし、王宮と勇者の情報を集めるだけのことに努力する、という表現はしっくり来ません。何か特別な意図でもあるのでしょうか。


「それでは乙木さん、またいずれ。新しい情報が入ったときは、必ず顔を出します。定期的な報告としても顔をだすつもりです」

「はい、宜しくおねがいします」

「そして、いずれは必ず、乙木さんをこの僕に振り向かせてみせましょう! 新たな魅力を会得することによって!」


 どうやら、未だに私のことを諦めていない様子です。これは困りましたね、今までの説得が全て水の泡です。

 しかし、これ以上の説得は難しいでしょう。となれば、後は好きなようにやらせておくしかありません。


「では、またお会いしましょう、乙木さん!」

「ええ」

「あとついでに不良女もな!」

「うるせーとっとと帰れホモ野郎!」


 こうして、松里家君は最後に嵐のような騒動を巻き起こし、王宮へと帰っていくのでした。


 それにしても、努力とは私を振り向かせる努力のことだったのですね。

 一体、何をするつもりなのでしょうか。


「あいつ、女装でもするつもりなのかな」


 有咲さんが、一言だけ呟きます。が、まさかそれは無いでしょう。ただでさえ、彼はおっさん趣味のホモという濃い人物。さらに女装癖なんて、いくらなんでも濃すぎます。可能性は低いと見ていいでしょう。

可能性は低い(確定という意味)。


女装少年も男の娘も好きです。

どちらも別物として好きです。

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― 新着の感想 ―
あとあと、シュリ君にお願いして見た目を変える気なんじゃないかと思ってしまうよねぇ……知らんけど
[一言] この小説はLGBTを応援しています!?w ヒロイン(女性)とヒロイン(男性)がいるなら可能性も2倍だw
[一言] まぁ~ 愛には色んな形が有るから・・・ 某国で昔 インタビューでも吐いたしね 堂々と妃の目の前で、某イギリス王国の チャールズカッパ禿げ皇太子
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