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07 切り拓かれる道




「す、すごい。ここまでとは」


 ジョアンとティアナ、ティオの三人の戦う様子を映像越しに見て、感嘆の声を漏らす金浜君。


「これ、下手したら俺達に匹敵するぐらいの力があるんじゃないですか?」

「どうでしょうね。ただ、童鬼を容易く撃破出来るということは、ステータスSSSSS相当の力があると言っても良いでしょうね」


 俺の言葉に、息を飲む金浜君。


 と、ここで通信が入る。


『雄一! 道が拓けるよッ!』


 有咲からの朗報だった。


『今から地中海にまっすぐ向かえば、ちょうど露払いが終わるから!』

「分かった、有咲! ありがとう!」


 俺は答えると、この場の一同に視線を向ける。


「地中海突入部隊、出発しましょう!」


 こうして、総勢七名の最精鋭は地中海に向かって駆け出した。




 地中海に到着すると、有咲の報告通り、ちょうど重力波爆弾による爆撃で童鬼が一掃された後だった。


「さて。到着はしましたが」


 言って、俺は金浜君の方を見る。

 事前の作戦会議では、地中海の底にある暗黒の領域へと続く道は金浜君が切り拓くと宣言していたのだが、どうするのか。


「ここは作戦通り、俺に任せてください」


 言って、金浜君は前に出て剣を構える。


「勇者の力は、何かを滅ぼすためのものじゃない。人の未来を、進むべき道を切り開き、希望を見せる道標となるためのもの」


 言いながら、金浜君は魔力を高める。

 その膨大な魔力が、黄金の輝きを伴って吹き上がる。


「だから、魔物を殺すためじゃない。本当に使うべき瞬間はもっと別の、どこかにあるんじゃないかって思っていた」


 高まる魔力が、金浜君の剣に収束してゆく。


「だから今なら分かる! この海が人の未来を閉ざす壁となって立ちはだかるなら、俺の剣で切り開くッ!」


 直後、金浜君の剣から光が吹き上がる。

 光は巨大な、それこそ塔のように天高く伸びてゆく。


「ハァァァァァァアアアアアッ!」


 天を衝くような光を、金浜君は振り下ろした。

 すると光は海を裂き、遥か遠くまで伸び続け、やがて地中海の底にまで到達する。


 どこまでも途切れることのない光の一太刀は、なんと海底の暗黒領域にまで届いた。


 そうして海は割れて、道は物理的に切り開かれた。


「こ、これはまた」

「どうでしょう? 勇者に出来ることなんて、この程度のものですが。サポートには十分かと思います」


 言って、金浜君は剣を鞘に収める。

 不思議なことに、切り開かれた海の断面は光に支えられ、元に戻る様子がない。

 まさか、こんな力技で来るとは思ってもみなかった。


「十分どころか。素晴らしい出来ですよ」


 俺の言葉に、金浜君は満足そうに笑うのだった。

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