表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
315/366

02 里長との面会




 龍神の魔力と思われるものが、進むほどに濃くなっていきます。


「シャーリーさん、体調はどうですか?」

「はい、問題ありません。コレもありますし」


 言って、シャーリーさんはペンダント型の魔導具を掲げます。

 シャーリーさんが龍神の魔力で体力を崩さないよう、周囲の魔力の影響を遮断、軽減するような効果を発揮する魔導具を作り、装着してもらっています。

 これがあれば、少なくとも集落の中での行動ぐらいでは体調を崩すことは無いでしょう。


 そんなやり取りをした直後。見通しの悪い林道を徐行する輸送車両の前に、戦士らしい装備に身を包んだ集団が姿を表しました。


「何者だ! ルーンガルド王国の許可無き者はこの先に進むことを許されない! 即刻引き返せ!」


 先頭に立つ、リーダーらしい立派な装備に身を包んだ男性が声を張り上げます。


 それを見て、驚いた様子のシャーリーさん。

 車両の窓から身を乗り出し、手を振って声を掛けます。


「お父さんっ! 私だよ、シャーリー! 話したいことがあるの!」


 その言葉に、相手方のリーダーや私も含めた、全員が驚きを表情に浮かべます。


「シャーリー、なのか?」

「はいっ!」

「っ、事情は分からんが、ひとまずここで待て! 里長の判断を仰ぐ!」


 そうして、リーダーこと、シャーリーさんの父親は一人で森の奥へと走って行きました。

 残された戦士たちは私たちを、というより見たことのない乗り物である輸送車両に警戒しているようで、鋭い視線と気配を緩めるつもりが無いようです。


「なんとか、上手くいきそうですね」

「だといいのですが」


 シャーリーさんは確信があるのか、笑顔でそんなことを言いました。




 しばらくすると、シャーリーさんの父親が戻ってきます。


「里長の所へ案内する。その魔導具はこの場に置いていってくれ」


 あちら側からすれば、輸送車両の危険度が測れない以上、当然の判断でしょう。

 輸送車両を降りて、そのままシャーリーさんの父親について進みます。


 やがて龍の里に到着します。周囲を木の柵で覆った、簡素な守りに囲まれた集落に見えます。建物も、この森で手に入る素材だけで作られているようで、あまり近代的ではない様子。

 案内されるがまま、扉の無い門をくぐって龍の里へと入ります。


 奥に進むと、一際大きな建物があり、どうやらそこを目指している様子。


「件の者たちを連れてきた」


 シャーリーさんの父親が言うと、扉を守っていたらしい兵士は脇に寄って、扉を開きます。


 そのまま扉をくぐり、中へと案内されます。


 到着したのは、いかにも里長といった風貌の、里で取れる素材で出来ていると思われる装飾品に身を包んだ老人でした。


「よく来たね、シャーリー。それと、お客人」


 里長は、私と、そしてシャーリーさんも歓迎するように口を開きます。


「お久しぶりです、里長」


 シャーリーさんも里長には含む所が無いのか、笑顔で応対します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マンガよもんが様にてコミカライズ連載中!
6mhv82sb21f83lsdkkow3af4fucd_1bmn_28e_35p_nrgt.jpg

マンガよもんが様へのリンクはこちら

小説家になろう 勝手にランキング
ツギクルバナーcont_access.php?citi_cont_id=602222539&s


☆Narrative Worksの新連載!☆

異世界チーレム転生できたけど、ヒロインが全員ギャグ漫画の世界の登場人物なんだが?
著者:亦塗☆さくらんぼ



☆Narrative Worksの連載作品一覧☆

無能は不要と言われ『時計使い』の僕は職人ギルドから追い出されるも、ダンジョンの深部で真の力に覚醒する-仕事が回らないから戻れと言われても今更もう遅い、SSS級冒険者として自由に生きていきます-
著者:桜霧琥珀

クラス転移に巻き込まれたコンビニ店員のおっさん、勇者には必要なかった余り物スキルを駆使して最強となるようです。
著者:日浦あやせ

盾持ち令嬢の英雄譚
著者:雨降波近

蒼炎の英雄-異世界に勇者召喚された少年は、スキル『火傷耐性』を駆使して成り上がる-
著者:稲枝遊士

吸血鬼な悪役令嬢に転生した私がSSS級国際指名手配犯となり最強チートスキルで婚約破棄王子や元クラスメイトの勇者などを倒していくお話
著者:稲枝遊士

ツルギの剣
著者:稲枝遊士

ゴブリン・コンバット-異世界のゴブリンに転生したので、地上最強の生物を目指してみようと思う-
著者:殿海黎

池袋ボーイズ(大嘘)
著者:亦塗☆さくらんぼ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ