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15 バロメッツ公国首都




 最後の防衛線を突破し、いよいよバロメッツ公国首都が見えてきました。

 そして、この段階になってようやく異常事態に気付きます。


「首都に、人が全くいない?」


 望遠鏡の他、防衛部隊が持ち込んだ様々な観測機器を使って首都の様子を偵察した結果、私はそう結論付けました。


 一般市民も含め、バロメッツ公国首都には相当な人数の人間がまだ残っているものと予想していました。

 しかし、首都内部には人の姿はもちろん、魔力圧、魔素量を測定する観測機器にも何の反応もありません。


 これはつまり、人間サイズの生物が首都内には一切存在していないことを意味します。

 首都全体に、乙木商事の機器を騙すほどの隠蔽を掛けている、とは考えられませんからね。魔王の隠蔽すら見抜く技術ですから、内藤は無論、バロメッツ公国の技術であったとしてもありえません。


 となると、考えられることはただ一つ。


「内藤が、首都の住民を何らかの理由で外に追い出したんでしょうね」


 私は、この異常事態について話し合うため、全員を集めた作戦会議の場にてそう発言しました。


「間違いなく、罠だろうな」


 マルクリーヌさんが、厳しい表情で断言します。


「ですが、内藤の性格から考えると、そこまで回りくどい手段は使ってこないと思います。今までも、敵軍は順次こちらにぶつかってきただけでしたし」


 そして金浜君が、内藤の性格を踏まえて意見を言います。


「しかし、彼奴はスキルの強さから推察するに、相当なステータスを持つはずだ。生半可な戦力を差し向ければ、間違いなく被害を受けるであろうな」


 メティドバンが、部隊を首都に突入させた場合の予想を立てます。


「やはり、罠があるとしても、まずは少数精鋭で突入するのが一番でしょうか」


 全員の意見を踏まえ、私はそんな結論を導きます。


「行けるとしたらオトギンとカナカナぐらいだけどね。スキルの効果から逆算すると、内藤の魔力が最低でもSSS+ランクに相当するはず。他のステータスも同等以上である可能性を考えると、罠や奇襲に対応できるのはステータスがオールSSSSに到達している人間だけだよ」


 シュリ君がこれまでの調査結果から内藤のステータスを逆算し、推測した結果、先行するのに適切な人物を絞り込んでくれました。


「なるほど。確かに安全マージンを十分に取るなら、シュリ君の言うとおりですね」


 私は頷くと、金浜君の方に向かって尋ねます。


「金浜君は、この結論に異存はありませんか?」

「ええ、もちろんです。他の皆が危険にさらされるリスクを減らす為なら、俺が先行するぐらい問題ないです。それに、乙木さんも来てくれるわけですし。戦力は十分過ぎるぐらいですよ」


 金浜君も作戦に同意してくれました。

 となれば、これで決定です。私と金浜君で先行し、罠の有無等を確認しつつ、内藤の捕縛、無力化に努める。


 やはり最後は、突出した個人同士のぶつかり合いになりましたね。ステータスというものが存在する以上、仕方のないことではありますが。


「では皆さん。部隊の指揮、防衛は任せました。私と金浜君で、内藤の制圧に向かいます」


 こうして、バロメッツ公国での最後の戦いが始まります。

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