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14 戦闘用ホムンクルス




 騒ぎが広がっているお陰で、私と八色さんの行動がスムーズに行きます。

 倉庫に備蓄された食料はもちろん、投石機などの大型兵器も発見し次第、破壊していきます。


 また、砦内部の施設に関しても破壊し、砦としての機能性も低下させます。結局は、ここで生活する魔物達が挙兵するのですから。生活そのものが不便になれば、その分敵の挙兵準備も遅れるというものです。


 そうして私と八色さんで破壊工作を進めるうちに、とうとうかなりの重要施設らしき場所を見つけます。

 砦の地下に設営された様子の、恐らくはメティドバンの実験施設。ホムンクルスらしき個体が、無数に壁際に飾られています。


「ここも、破壊していきましょう。メティドバンの戦力が削られるのは僥倖です」

「分かりました、旦那様」

「そうはさせんぞッ!」


 私と八色さんの会話に、割り込む声が聞こえてきます。

 声のした方向に視線を向けると、ホムンクルスの一体が動き出していました。


「まさか、貴様らがこうも早く砦に攻め込んでくるとは思っても見なかったが、しかし我が傑作の戦闘特化型ホムンクルスが、ここで貴様らを葬り去ってくれるッ!」


 もはやゴブリンとは呼べぬ肉体を持つホムンクルスが、メティドバンの声で喋ります。

 筋肉が異常に盛り上がるだけでなく、骨格もかなり太く頑丈な作りになっているように見えます。腕や足が巨大で、胴体はそれと比べて小さく、不気味な比率となっています。


 戦闘特化型、という程ですから、恐らく先日戦ったホムンクルスよりは遥かに強力なのでしょう。


「旦那様。私にやらせてください」


 八色さんがやる気を見せていたので、私は頷いて許可を出します。


「行きますッ!」


 超加速のスキルを発動し、八色さんが行動開始します。ホムンクルスの死角に周り、武器の短刀型魔導セイバーでホムンクルスの背中を突きます。


「効かぬッ!」


 さすがに肉体は頑丈なようで、刃は浅くしか刺さらなかった様子。それでも八色さんは冷静で、反撃してくるホムンクルスの攻撃をいなし、以前見せた技と同様に超加速を乗せた投げを披露してくれます。

 ホムンクルスは強烈に壁へと叩きつけられます。


「やった!」


 八色さんが思わず声を漏らしますが、これは少々危険ですね。油断している様子。


「これも効かぬわッ!」


 粉塵の中から姿を現すホムンクルス。ダメージはほとんど通っていない様子。

 その不意を突く動きに八色さんは驚き、隙を見せてしまいます。


 私は八色さんをかばうようにスキルを発動。瘴気と詛泥を発生させ、ホムンクルスの攻撃を防ぐ壁を生成。

 詛泥から跳び出たダークマターが、ホムンクルスの繰り出した拳を防ぎ切ることに成功します。


「ぐぬぅッ!」


 ダークマターと接触したことで、呪詛がホムンクルスの拳を冒し、皮膚をボロボロに崩します。

 ですが、どうやら再生力が高いらしく、ホムンクルスの拳はみるみるうちに元通り、やはりこの程度ではダメージにならない様子。


「大丈夫ですか、八色さん」

「すみません、旦那様。油断しました」

「気にしないで下さい。貴女が無事ならそれでいいんです」


 八色さんは反省しつつ、戦意は失っていない様子。私に謝罪した後、また臨戦態勢をとってホムンクルスと向き直ります。

 ここは、もう少し八色さんに任せてみましょうか。

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