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03 内藤組、蜂起




 内藤組とは、召喚勇者の皆さんのクラスメイトの一人であり、スキル『洗脳調教』を所有する内藤隆君をリーダーとするグループのことです。

 以前から不穏な動きをしていたようなのですが、それがとうとう、よりにもよってこのタイミングで動き出したとのこと。


「なるほど。具体的には、どのような?」

「はい。内藤は、俺たちの監視をくぐり抜けてルーンガルド王国から出て、周辺諸国に向かったみたいです。そして、奴は例に漏れず、スキルを使って周辺諸国の政府に食い込み、不穏な動きを続けています。国境に騎士団を派遣する、等といった威嚇行為が現状だと精一杯のようですが。いずれ本当に武力蜂起する可能性が高いと見て、ルーンガルド王国も警戒態勢に入っているんです」


 どうやら、私が想像していた以上に大きな事態になっている様子ですね。


「となると、シュリ君が今日来ていないのも?」

「はい。それに、俺たちもこの会議が終われば、すぐにでも国境の防衛に向かって欲しい、と言われています。俺としても、内藤に洗脳されて、連れ去られたクラスメイトをどうにかして開放したいですし。だから、申し訳ないんですが」


 再び謝罪をしようとする金浜君を、私は手で制止します。


「気にしないで下さい。むしろ、私達と金浜君が協力関係にあるのは、本来は内藤組に対抗する戦力の確保の為だったはずですからね。直接協力出来なくて、こちらが申し訳ないぐらいです」

「いえ。魔王軍の方も、重要な問題だと思いますので」


 ともかく、金浜君のパーティメンバー、そしてシュリ君。さらにマルクリーヌさんのコネから騎士団の力を借りる、というのは難しいようです。


「物資の支援などはやらせて頂きますので、何か困ったことがあれば、乙木商事の方に連絡を下さい。可能な限り対応します」

「はい、ありがとうございます」


 こうして、金浜君が今回の反乱軍鎮圧には参加出来ないことが正式に決まりました。

 となると、予定した戦力が僅かに足りないことになりますが。


「では、少し戦力に関しては想定よりも少なくなってしまいますが。これ以上をどこかから借りることも出来ませんし、まずは現状の戦力だけで反乱軍の鎮圧に当たりましょう」


 私はそう宣言すると、次は具体的な話に入ります。


「さて。次は具体的な鎮圧部隊の内訳になりますが」


 私はまず、鎮圧部隊に参加する幹部待遇の面子について告げていきます。


 私は確定として、妻達からは八色さんとジョアンさんの二人を連れていきます。マルクリーヌさんには乙木商事に残ってもらい、こちらに残る妻達と共に運営に加わってもらいます。

 妻達の安全を確保する意味でも、一人は戦える人間がいた方が間違いなく良いですからね。

 有咲もステータスはかなり高いですが、戦いの経験はほぼありません。実際に戦闘が起これば、守られる側となるでしょう。


 その他、連れて行く戦力としてはティアナさんとティオ君の二人。召喚勇者の皆さんは、むしろ内藤組の対策に回りたい、とのことでしたので、今回の反乱軍鎮圧には連れていきません。


 となると、実際に連れて行く戦力は想定よりもかなり少なくなってしまいます。

 これは、最高戦力である私の踏ん張りどころのようですね。


「では、以上の皆さんは今日から反乱軍鎮圧部隊のメンバーです。明日にも出発しますので、そのつもりで準備を進めて下さい」


 私が言うと、それぞれのメンバーが口々に声を上げます。


「ダーリン、安心してよ! 俺がその分、いっぱい頑張るからさ!」

「ジョアンさん。頼もしいですが、今回は討伐ではなく鎮圧が目的ですからね?」

「あ、そっか。うん、でも大丈夫!」


 根拠の無い自信ですが、こういう明るさもジョアンさんの魅力の一つですね。気張りすぎていた心が、幾らか緩んで楽になります。


「旦那様っ! 私も、旦那様の望みのままに頑張ります!」


 ジョアン君に対抗するかのように、声を上げたのは八色さん。つい先日、書類を提出して妻になったばかりなのですが、それで出遅れたような形になっていることを気にしているのでしょう。


「八色さん。頑張るのもいいですが、一番大事なのは自分自身なんですからね。怪我せず、無事に帰ってくることを約束してくださいね」

「ふあっ、はっ、はいっ! わかりまひたっ! 旦那様のおっしゃるとおりに!」


 八色さんは私に優しくされることに慣れていないらしく、こういった思いやりの言葉をかけると半ばパニックを起こします。

 そうした仕草が普通の女の子らしく、彼女がとんでもない筋金入りのストーカーであったことが最近は気にならなくなりつつあります。


「雄一様。ティアナとティオをよろしくおねがいしますね」

「ええ、もちろんです。必ず無事に帰ることをお約束しますよ」


 ティアナさんとティオ君はこの場に居ない為、代わりに母親であり私の妻でもあるマリアさんが頭を下げます。

 すでに二人は私の子でもあるのですから、守ることは当然のことです。迷いなく、マリアさんには断言をして返します。


 こうして会議は終わり、私達は反乱軍の鎮圧の為に動き始めます。

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