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34 魔王軍の事情




 エレベーターに全員が入ると、すぐに目的の階層へと向かって動き出します。

 向かうは乙木ビル最上階。私個人のオフィスルームがある階層です。


 この階には私のオフィスだけでなく、生活空間も最低限用意されており、忙しい時期は快適に寝泊まりが可能となっています。

 また、会議室も複数用意されており、今回はそのうちの一つを利用して、魔王軍の皆さんと話をする予定です。


 なお、自宅については乙木ビル本社の敷地内に別で建ててあるので、普段はそちらとこの最上階を行き来する生活をしています。


 最上階に到着すると、まずは私が先に出て、案内を努めます。


「さて、到着しました。ここが乙木ビル最上階になります。こちらに会議室がありますので、付いてきて下さい」


 私の案内に従い、ぞろぞろと魔王軍の皆さんが付いてきます。

 また、有咲も私の隣に立って一緒に会議室へと向かいます。


「雄一。アタシも行った方がいい?」

「そうだな。有咲が居てくれたほうが、間違いが少なくて済む」


 カルキュレイターを自然と常時発動している有咲がいれば、私一人で判断ミスを起こすようなことも無くなります。なので、居てくれた方が助かります。


「じゃあ、アタシも交渉に参加するね」

「ああ。頼む」


 そうこうしている内に、会議室前へと到着しました。


「では、こちらに」


 私が扉を開き、魔王軍の皆さんに入るように促します。

 会議室へと入った皆さんは、口々に驚きの声を漏らします。何しろ、最上階の会議室ですからね。一面はガラス張りとなっており、中々の景色が広がっています。


 想像以上に高い場所まで来ていたことに気づいたのもあるのでしょう。魔王軍の皆さんは一気に騒がしくなりました。

 が、やがて全員が入室し、私も会議室に入って奥の席についたことで、騒ぎは収まります。


「皆さん、お好きな席にどうぞ」


 私が促すことで、ようやく全員が席につきました。


「では、交渉を始める前に大事なことが一つあります。それを、魔王軍の皆さんの方から教えていただきたい」


 私が言うと、全体が気を引き締めたような表情を浮かべます。


「何しろ、我々は皆さんのことを、魔王軍の事情を何一つ知らない。この国にいる限り、入ってくるのは偏った情報ばかりです。これでは、皆さんと対等な協力関係を築くことも出来ません。なので、まずは皆さんから魔王軍の事情、そちらの国の情勢、体制など、前提となる基礎知識を共有しておきたいのです」


 私が言うと、ヴラドガリアさんが頷きます。


「そういうことであらば、妾らの中ではサティーラが適任であろうな」

「では、サティーラさん。ご説明して頂けませんでしょうか?」

「わかりました」


 一瞬だけ嫌そうな表情を浮かべながらも、サティーラさんは了承してくれます。


「とは言いましても、私も何から話せば良いのか分かりませんので。まずは、この国ルーンガルド王国と我ら魔王軍、及び魔王領全体との戦争の発端について話していきましょう」


 こうして、魔王軍との初めての交渉が開始しました。

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