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26 相性問題




 ヴラドガリアさんの言う通り、今はシュリ君とイチャイチャしている場合ではありませんね。

 色々と確認したいこともあったのですが、それも後回しでいいでしょう。


 今は、ひとまず第五関門の続きといきましょう。


「えーっと、正直ボクとしてはもう負けでいいんじゃない? って思ってるんだけど」

「何を言っておるのじゃ。戦う前から諦めてどうする」


 まさかの、シュリ君からの敗北宣言。そしてそれをヴラドガリアさんが諌めるという奇妙な状況に。


「だってさぁ。ボクには『視えてる』からね? だから分かるんだけど」

「なんのことか分からんな?」


 それこそ私にはなんのことか分からない会話を繰り広げる二人。

 どうやら、シュリ君には私にも分からない何かが見えている様子。それでヴラドガリアさんを相手にして勝ち目が無い、と言っているのでしょう。


「じゃあもう、ちゃちゃっとやっちゃって、ちゃちゃっと終わろう! ほらオトギン、合図!」

「えー、はい。では第五関門二回戦、開始」


 シュリ君に急かされて、私はそのまま合図を出します。

 すると、途端にシュリ君は魔法陣を書き上げ、そのまま発動。巨大な火球がヴラドガリアさんへと目掛けて飛んでいきます。


「ふむ」


 ですが、なぜかヴラドガリアさんが視線を向けた瞬間。

 一瞬にして、巨大な火球が消滅してしまいます。


「悪くは無いの。じゃが、妾には相性が最悪じゃ」

「ほらね?」


 こうなるのが分かっていたかのように、シュリ君がこちらを見てきます。


「あの、シュリ君。これは?」

「魔王たんの能力だよ、多分ね。魔法無効化とか、そういう感じの効果かな?」

「惜しいのう。正確には魔力を吸収する魔眼の力、じゃ。『吸魔の魔眼』というスキルじゃよ」


 自慢するかのように、ヴラドガリアさんは自身の能力を語ります。


「それは、言ってしまっていいのですか?」

「構わぬよ。対策など不可能であるからの。それに、妾の力はこんなものではない」

「とは言え、魔法ぐらいしか攻撃手段の無いボクには相性最悪だけどねぇ」


 なるほど、それでシュリ君は戦う前から負けたようなことを言っていたのでしょうね。

 シュリ君いわく、特別な目で色々なものが見えるらしいですから、それでヴラドガリアさんの魔法無効化とも言える能力に察しがついていたのでしょう。


「では、これで第五関門は突破、ということで」

「そういうこと。それじゃあ、オトギン行こっか!」


 私が第五関門の終了を告げると、シュリ君が私の腕を取って引っ張ります。


「行くとは? シュリ君も第六関門に?」

「途中まで、ね。オトギンにはボクのこと、もう少し説明しておきたいしね?」


 なるほど。第六関門へと向かいながら、今回ヴラドガリアさんによって明かされたシュリ君の秘密について話してくれるということでしょう。


「分かりました。では、行きましょうか」

「うんうんっ!」


 シュリ君に手を引かれるがままに、私は進んでゆきます。振り返れば、後ろから呆れたような表情のヴラドガリアさん達が付いてきていました。


「なんと言うか、緊張感の無いヤツじゃの、汝らは」


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