11 双子のSランク冒険者
ぞろぞろと大人数の魔王軍を引き連れ、私たちは第二関門まで到達します。
扉を魔素認証で開き、部屋に入ると、そこに待っていたのは二人の冒険者。
「次の相手は、我が乙木商事と契約しているSランク冒険者の二人です」
私がそう紹介すると、二人がこちらへ近寄ってきます。
そして私の横に並び、自己紹介を始めました。
「わたしがSランク冒険者。『氷結姫』のティアナ。あと、ゆういちパパの義理の娘」
「そして僕がSランク冒険者。『風帝』のティオ。あと、ゆういちパパの義理の息子」
それぞれが名乗り終えると、私の左右を挟み込むように腕を絡めてきます。
今ではマリアさんとも籍を入れているので、二人が私の義理の子供であるのは事実です。が、それにしても妙に妖艶な仕草で腕を絡めてくるので、つい照れてしまいます。
「ティオ君。ティアナさん。今はじゃれている場合ではありませんよ」
「はーい」
「わかった」
納得してくれたようで、二人共大人しく離れてくれます。
成長した二人とも、すっかり美人に育ってくれたので、こうして腕を絡められると妙に緊張してしまうんですよね。困ったものです。
ティオ君に至っては、男のはずなのにむしろどちらかと言えば女性に見えるという、元々の中性的な外見がさらに極まっています。
「さて。それでは第二関門の相手はどなたがやって頂けますか?」
「私が出る」
そう言って威勢よく前に出たのは、サティーラさん。第一関門突破時に少しばかり恥をかいているので、それを払拭しようと思っているのでしょう。
それに、ここからは魔王軍のエリート兵士達では相手にもならない、時間の無駄レベルの戦いになっていきます。最初からサティーラさんが出るのが妥当と言えます。
「では、双方準備をして下さい」
私が言うと、まずティアナさんとティオ君が離れてゆき、程よく距離を取った段階で武器を構えます。
この武器こそ、乙木商事で警備部門の社員も使っている『魔導セイバー』の特注品。二人に合わせて様々な部分を高性能化、チューンナップしてあります。
この魔導セイバーという武器がどんな武器かと言えば、分かりやすく言えばライトセイバーのようなものです。高い魔力圧を持つ魔素を使い、魔法の刃を実体化。刃物としての高い切断力はもちろん、魔法を斬ったり、弾き返したりすることも出来る優れものです。
さらに二人の場合は、それぞれのステータスにも合わせたチューンナップをしてあります。
肝心の二人のステータスは以下の通り。
【名前】ティアナ
【レベル】69
【筋力】B
【魔力】S
【体力】A
【速力】A
【属性】氷
【スキル】なし
【名前】ティオ
【レベル】71
【筋力】A
【魔力】S
【体力】A
【速力】B
【属性】風
【スキル】なし
ティアナさんは属性の氷に、ティオ君は風に合わせ、それぞれの魔力セイバーがその属性と同じ魔力を纏うようにしてあります。
また、ティアナさんの方が出力よりも軽さと取り回しの良さを優先した細剣タイプ。ティオ君が出力を優先した肉厚の刀身を持つバスタードソードタイプになっています。
そんな二人の武器を見て、サティーラさんも含め、魔王軍の皆さんは目を見開き驚きます。
「ほう、これはまた面妖な武器じゃのう」
「我が乙木商事の技術力あってこその武器です」
ブラドガリアが感心したように呟いたので、便乗して乙木商事の技術力をアピールしておきます。
そうこうしているうちに、ティアナさんとティオ君、そしてサティーラさんの準備が終わりました。
今にも戦いが始まりそうなほど、張り詰めた緊張感が漂っています。
「それでは、第二関門、開始してください」
この宣言により、いよいよ第二関門の戦闘が開始されました。





