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02 自己紹介




「名乗りを上げられたのであれば、こちらも返すのが道理というものじゃのう?」


 そう言って、魔王と呼ばれた幼女は私に名乗りを返してくれます。


「妾こそが、魔王領七州の元首にして今代の魔王。天上天下唯我無双の存在っ! ヴラドガリア・フォン・エルドラントであるッ!」


 名乗りと同時に、魔王、ヴラドガリアさんは包み隠していたらしき魔力を開放します。

 その魔力量は、これまで私が見てきたどのような相手よりも膨大で、さすが魔王といったところでしょうか。


「ほれ、おぬしらも名乗らんか」


 魔王に促され、続いて天使のような美女が名乗りを上げます。


「私は魔王様の補佐、側近を務めさせて頂いているサティーラという者だ。天使族の代表でもあり、後ろに並んでいるのはその縁で集めた親衛隊だ」


 美女、サティーラさんは言って、後方に控える十数名についても説明してくれます。ここまで詳しく教えて下さるとは、親切ですね。かなり生真面目な性格と見えます。


「吾輩は魔王軍四天王の一人にして、四天王最強の男! レオニスという者だ!」


 最後に威勢よく名乗りを上げたのは獣人の男、レオニスさんでした。

 四天王の中で最強、ということは、これまでに私が撃破してきた魔王軍四天王よりは遥かに強い、ということなのでしょう。

 それぐらいの力量差が無ければ、わざわざ最強などと名乗るはずがありませんからね。


「ご丁寧に、ご紹介いただきありがとうございます。ではヴラドガリアさん、まずは今回の来訪の理由についてお教えいただけませんか?」

「ふむ。語るまでもないかと思ったが、尋ねられたなら答えよう」


 ヴラドガリアさんはそう言って、頷いてから詳細を語り始めます。


「切っ掛けは、人間共が妙に強力な武装を一般兵にまで装備させ始めたことであった。妾は戦場のことには基本的に関わらぬのじゃが、さすがに我が軍の被害が増えすぎておってのう。原因を探った所、乙木商事なる企業が原因であると判明したのじゃ」

「確かに、この国の兵士が装備する魔道具の数々は、私たちが開発したものですね」


 私はヴラドガリアさんの発言を肯定します。


「じゃから、妾は考えたのじゃ。その乙木商事なる企業を潰してしまえば、我が魔王軍が恐れるものは無くなるであろう、とな」

「なるほど。となると、今回の来訪は?」

「うむ。汝ら、乙木商事の壊滅が妾の目的じゃ」


 やはり、魔王軍としては乙木商事の活動は見過ごすわけにはいかなかったようですね。


 これまでも、魔王軍と思われる組織による破壊工作は幾度となくありましたが、それらは全て失敗しています。

 だからこそ、こうして今回は魔王が自ら出てくることになったのでしょう。


「事情は理解致しました。それではヴラドガリアさん。こちらから一つ、提案がございます」

「ほう、提案とな? 良かろう、言ってみせよ」


 どうやらヴラドガリアさんは相当な自信があるらしく、余裕の様子で私の発言を許してくれています。

 これは、私が唯一人だけで姿を現したことも影響しているでしょうね。おっさん一人ぐらい、問題なく始末出来ると考えているのでしょう。


「この度の戦いですが、ルールを設けてみませんか?」

「ルール、とな?」

「はい。分かりやすく言えば、ゲームをしましょう」

「うむ、面白い事を言うではないか。続きを申せ」


 どうやらヴラドガリアさんの反応は悪くない様子。このままこちらの要求を全て伝えてしまいましょう。

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