22 事情説明
私は松里家君に直近の私の状況と、今後の計画について話をしました。
そして、金浜組の子たち全員を、乙木商事で役員として雇うつもりがあるということも話しました。
最近の私は、乙木商事という大規模な企業のトップであり、ルーンガルド王国の中でも有数の実力を持つ組織となっています。
それは国内の有力貴族にも匹敵するほどであり、随分と状況が変わりました。
今ならば、金浜組に所属する子ならば全員王国から引き抜くことも不可能ではありません。
「では、乙木さん。クラスメイト達については、私が話を通しておきましょう。また後日、全員を招集してそちらにお伺いしますよ」
「それは助かります。では松里家君に、この件はお願いしても構いませんか?」
「ええ、任せてください!」
ということで、この件に関しては一旦松里家君に任せることとなりました。
「では、今日はこの辺りで失礼します」
「そうですか。では乙木さん、また後日」
「ええ。それと、ジョアン君は連れて行っても構いませんか?」
「えっ、俺?」
急に名前を出されて、驚いた様子のジョアン君。
「結婚することになりますからね。事情の説明に行かなければなりませんから。できれば、ジョアン君も一緒に来て欲しいのです」
「なるほど。そういうことでしたら大丈夫ですよ。すでに施術は終了していますので、問題なく日常生活に戻れるはずです」
「では、ジョアン君。一緒に来てくれますか?」
「わかった!」
と、いうことで。ジョアン君を連れて、私は王宮を後にしました。
その後は、まずは真っ先に有咲のところへと向かいました。最初に筋を通すべき相手は、間違いなくすでに妻となっている有咲でしょうから。
そうして、有咲にはジョアン君の事情についてと、私の考えについて。そして他にもマリアさん、シャーリーさん、マルクリーヌさんとも結婚をするつもりであるということも話しました。
すると、有咲は頭を抱えて項垂れました。
「はぁ、頭痛くなるな、これ」
「悪い。本当は有咲を優先したいんだけど、こればっかりは」
「いや、重婚のことじゃなくってさ。そっちは前からそのつもりだったからいいんだけど。まあ一人予定外の子が増えたわけだけど。それも別によくて」
言うと、有咲は私の方を睨むように見つめてきます。
「どうしてこーなるまで放っておいたんだよぉッ! 性転換するほど思い詰めちゃってんじゃん! なにしてんのほんと! バカじゃないのっ?」
「あ、そっちか。いや、うん。悪かったと思ってる。だからこそ、責任を取らなきゃいけないと思ってるわけで」
「まぁ、それは分かったけど。でも、ちょっと衝撃的すぎて頭がついていかない」
はぁ、とため息を吐く有咲。そして、ジョアン君の方を見て言います。
「まあ、アタシは大丈夫だよ。認めてあげる。重婚もそうだし、ジョアンのこともオッケー」
「ほんとか? ありがと、有咲ねーちゃんっ!」
ジョアン君は目を輝かせながら、喜びの笑みを零します。
「でもジョアン、本当に雄一でいいの? 後悔しない?」
「うん! 大丈夫!」
「雄一はスケベだから、もっとお嫁さんが増えて、ジョアンのことほったらかしになるかもよ?」
「でも、結婚してないよりずっとそっちのがいいよ」
「それに雄一のちんちんはでっかいから、初めては死ぬほど痛いよ?」
「うっ。それは、えっと、頑張るよ!」
「それならよし! アタシが直々に認めてあげるから、胸張りな!」
何やら私の身体的な秘密がバラされたりもしましたが、有咲とジョアン君は上手くやっていけそうな様子ですね。
この調子で、あと三人にも事情を説明していきましょうか。





