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第八話 反撃準備

思ったとおりだ!


俺の血はヤドカリ退治に効果があった。

大きめの竹の一節になみなみ入れた水に、血を一滴垂らした溶液。

これをチビヤドカリにちょろっと垂らすだけで、ヤドカリは一瞬で蒸発して灰になった。


…俺、ヤバくない?

まるで危険生物じゃん?エイ◯アンだよ?


もう少し大きなヤドカリで実験だ。

食べたら美味いんだけど、こっちは命がかかってる。

お化けヤドカリに有効な武器を開発しないと、おちおち刺身なんか食ってられない。


俺の血水は、大きなヤドカリにも有効だった。

…そうだ!こいつのハサミ、竹の加工に使えないかな?

あれだけ鋭利なハサミなんだから、竹を切るのに便利そうだ。


けれど、魔物のハサミは聖域に持ち込んだとたんにぼろぼろに錆びて崩れ落ちてしまった。

…そうか。ヤドカリが入ろうとしないわけだよね。


竹やぶは聖域。魔物が入れば浄化されてしまうのだ!


竹やぶにさえ持ち込まなければハサミは鋭利なままだったから、俺は少しずつ素手で竹を折り取っては、竹を干潟に持ち出し、ヤドカリのハサミで先端を加工して何本も竹槍を作った。

竹槍の先にはたっぷりと俺の血を含ませる。


自傷して血を出すのは勇気が要ったが、そのあと切り株で寝たらすっかり傷は治ってしまう。

しばらくすると、指の腹を切るのも平気になった。


もし今俺が心を病んだら、何の躊躇いもなくリストカットできそうな気がする。

こんなところに独りぼっちで暮らしていたら、早晩心を病むかも…気をつけよう。


あとは飛び道具が欲しい。

幾つか試してみて、水鉄砲が良さそうだった。

レトロなおもちゃ屋で売ってそうな、竹の節に小さな穴を開け、後ろから棒で突くタイプの単純なやつだ。


単純と言っても、道具も材料もほとんど無いわけだから結構難しい。

けど、こういう細工仕事は好きだ。

ピストン部分には、だぶだぶの服の袖口を切り取って使う。

俺は楽しみながら、予備も含めて何個か水鉄砲を完成させた。


それから盾。

竹を編んで束ねて軽量の盾を作り、これまた表面を血まみれにする。

何かスプラッターっぽい。

ついでにつなぎにも血を塗った竹ひごを仕込んで、致命傷が通らないようにした。


一張羅の服を全部血まみれにするのはさすがにね。


こうして俺は着々と反撃の準備を整えたのだ。


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