第93話
それって、とグレイシアがブレイクに聞く
「これですか?
僕、光の勇者なんです
闇の巫女も知り合いにいて
二人とも強くならないといけないんです」
そうなのね、とグレイシアが
尚更、契約した方がいいのでは?と思うが
そっと胸の内にしまっておく事にした
「でも、強くなるって言っても
坊やは具体的にどうするつもりなの?」
そこなんだよなぁ〜とブレイクが
考え込んでいるとアークが
「契約したくないなら
冒険者として強くなるしかないよな
今はBランクだろ?
大変な事は多いけどSランクを目指して
依頼をこなすしかないよな」
そうかもしれないと、ブレイクはまた考え込む
スゥが先程の冒険者との騒動を見て
グレイシアに聞いた
「なぁ、グレイシアと主はどっちが強いんだ?」
グレイシアに魔法はほぼ効かないし
鱗で攻撃も通らないとなると
ブレイクに残される選択肢は
精霊融合ぐらいだろうか
「精霊融合がどこまで
通じるかによるよね
グレイシアさんの今日の騒動を考えるに
僕が魔法を使っても効かないだろうし
基本僕は魔法攻撃が多いからなぁ」
スイレンがブレイクの疑問に答える
「決着つかないわよ
互いの攻撃が効かないから」
そうなるのか、とグレイシアと
ブレイクが互いを見る
ヴィクトリアが気になったのかグレイシアに
「今、人の姿をしているが
その状態だと物理攻撃は効くのか?」
「たぶん効かないと思うのよね
擬態してるだけで触るとわかるけど
腕とか体は鱗だから」
そうか、とヴィクトリアがスゥを見る
「なんだ?ヴィクトリア?」
スゥは戦闘民族メソポリア族だ
スゥならグレイシアの鱗を割る事が出来るのか
ヴィクトリアは気になったが
流石に大人にまで成長しないと難しいだろ
「まぁ、一回やってみる?」
と、スイレンが模擬戦を提案した
翌日、日が登り天気は快晴
そんな中迷いの森までは行かないが
街から離れて開けた場所で模擬戦をする事になった
「えぇっと、私はどこまでやればいいのかしら?」
グレイシアが困った様子でスイレンとブレイクに
対峙していた
「全力でお願いします」
「御主人様がそう言うなら
そうしてもらえるかしら?」
えぇ、とグレイシアは困ってしまうが
仕方ないと龍の姿へと戻り
その体躯は15メートルはあり
体は硬い鱗で覆われ魔法と武器などの攻撃を
通さず咆哮は氷龍王の名の通り
氷属性のブレスを放つ
爪や尻尾も強力な武器になるが
果たしてブレイクはどうするつもりなのか
「私が審判をするぞ」
とヴィクトリアが皆に離れるよう促し
ブレイクとグレイシアは15メートル離れた場所から
模擬戦の準備をして待っていた
「では、始め!」




