第68話
「早速なんだけど
アークは今後の事は考えてる?」
今後?となんの話かと思ったら
魔法師団、副団長の息子が今後と言われれば
「俺も15になったら
魔法師団に入るんじゃねぇの?」
ユージーンはやっぱりかという顔をし
「前から言ってるけど
別に父さんと同じようにする必要はないし
好きに生きていいんだメイベルちゃんもそうだが
アークもなんだか自ら道を閉ざしているように
見える確かに魔法については色々教えてきたけど
魔法師団が全てじゃないからね」
そうか、とアークは黙り込む
「小僧、本題はそこじゃないだろう
孫にわかるように説明してやれ」
ライコがユージーンの言いたい事を感じとり
話すように促す
「そうだね、まず父さんは魔法師団の団長と
その座を賭けて決闘を申し込む
精霊と契約して団長との力の差は
歴然のものとなった
それ程、精霊との契約は特別なものだからね
それを踏まえてアークも契約を結んだんだ
その力をどう使うかよく考えないと危険だよ」
お兄様は危険じゃないのです!とシャルネが
ユージーンに反論するが
「いや、親父の言う通り危険なもんだ
今の俺が一般市民に向けて魔法なんて打ったら
死人が出る、前ならそこそこの被害で済んだけど
今はもう、街一つ消し飛ばせる魔力を
持っちまってるから、その力をどう使うか...」
うーんと考えるアークだった
「孫は何になりたい?」
ライコがアークの前まで来て
問いかける
「...俺は」
と、アークは幼少期から親との関係性が乏しかった
父は魔法師団の期待のエースだったし
母は育児ノイローゼで休養をとっており
アークは1人で食卓を囲む事が多く
1人寂しい思いをしてきた
それを支えたのは1つ年下のメイベルに
その母のヴィクトリアだった
メイベルとは兄妹のように遊び
ヴィクトリアにはメイベルと共に
街に連れて行ってもらったりした
それでもやっぱり家に帰ると1人
メイドや執事はいたが食卓を囲む事はない
それと比べれば今の父も母もいるし
ライコにシャルネがいる生活は
アークにとってとても喜ばしい事だった
「俺は...皆で飯が食えればいいかな」
「...そうか」
ライコはアークの頭を撫でた
シャルネが泣き出し
ユージーンに向き直り
「お父様!
お兄様に言う事はないのです!?」
えぇ!?いきなりかい?とシャルネの発言に
頭を悩ませシャルネがユージーンを引っ叩く
「お兄様は寂しかったのです!
お父様もお母様も幼い頃から
あまり相手にされなかった事を未だに
気にしてるのです!」
そこまで言った所でアークに手で口を塞がれる
「余計なことを言い過ぎだ」
そんなアークの顔は真っ赤になっており
ライコがユージーンに
「まあ、なんだ小僧が
心配するような事にはならんよ
孫は思っている以上に幼稚な
感情しかないみたいだからな」
そうか...とユージーンは叩かれた頬を摩りながら
メイドにマリアを呼ぶように言い
メイドに呼ばれて、どうしたの?と
マリアが書斎に入り
ユージーンは皆でお茶にしようと
メイドに準備させた




