第58話
そうだな、とヴィクトリアが話し始める
「ランクが上がれば上がるほど
指名依頼だらけになってしまう
先程のベルズが言っていたように
冒険者は自由なのが本来の姿だ
指名依頼だらけで窮屈になってしまう冒険者
そんなの面白くないだろう」
Aランクから指名依頼は異様に増えるという
それが嫌なヴィクトリアは
自由が効くBランクに留まっていた
「Aランクからは依頼内容の難易度も
報酬も跳ね上がるその分失敗は許されないがな
だから俺の権限で与えられるのがBランクまで
と言うわけだが納得してもらえたかな?」
ベルズが不服そうなスイレンに説明し
そう、とスイレンも渋々了承した
メイベルとスゥの試験も終わり
スゥはすぐにでも依頼を受けたそうにしていた為
ヴィクトリアが付き添い一同は
迷いの森に向かた
日暮ということもあり早めに行って
早めに帰って来ようと考えたメイベルにスゥが
「モンスターでないなぁ」
とスゥの能力や性格を見るに採取系の依頼より
討伐系の依頼の方が合っていたが
コレも経験だとヴィクトリアが依頼を受けさせ
スゥは退屈そうに薬草を摂取していた
モンスターが出ないのもブレイクが先導している為
索敵魔法でモンスターの位置がわかり
避けて道を通ってきたからで
スゥはその事を知らないので
それを知らされたスゥは、なんだそれ!?
と、驚愕と共にまたつまらなそうな顔をし
そんなスゥの機嫌をとりながら
ギルドに向かった
ギルドで依頼達成の報告を受け
ヴィクトリア達は家路に着く
迷いの森の奥深く辺りも暗くなった頃
「....迷った」
「そうだね
一旦今日は此処で寝泊まりして
明日またルア王国に向かおう」
クレアとメルの姉妹はフィートから
護衛の任を解かれ自由の身になった後
ブレイクと再開する為ルア王国に向かっており
初めて入る迷いの森の奥深くは
モンスターも多く景色も変わらない
隠密に長けている2人でも気は抜けなかった
2人は木の上に登りそこで寝ることにした
「ブレイク元気かな?」
「そうねぇ龍王国だとフィート様が
随分お世話になったみたいだしね
ルア王国に着いてからは何してるんだろうね」
初めての旅だか不思議と不安は無く
ブレイクが何しているかなど
姉妹で話し合っているとメルが
「お姉ちゃん私ね
冒険者になりたい」
それを聞いたクレアは
そう、と驚きもせず口を開く
「もともとその予定だったわ
食いぶちが無いと生活できないし
ブレイクに会えてもボロボロの服に
クシャクシャの髪じゃ会えないもんね」
そうかぁ、とメルが納得し
2人はやがて眠りについた




