第5話
「それで、どうするの?この子」
コレットが切り出す
ヴィクトリア達の目的はこの先にある
ドラゴンの涙を王国に持ち帰り
王女の病を治す事
ドラゴンの涙はこの先の龍の渓谷に住む
ドラゴンが有すると言う噂を聞きつけた
そんな中での少年との出会いだった
「そうだね、少年は気がかりだが
私達も旅を急ぐここは割り切って」
ユージーンがヴィクトリアに向き直る
ヴィクトリアはと言うと
少年に布団をかけ隣に椅子を置き
装備を外し始め
ユージーンとコレットに向き直り
「ん?連れていけば良いじゃないか
私達なら大丈夫だろう
それに...この子はメイベルの弟にする」
メイベルと言うのはもうすぐ10歳になる
ヴィクトリアの娘である
「えぇ!?ヴィクトリア何言ってるの!?
連れてくって!?それにメイベルちゃんの弟!?」
コレットは終始、文句ばかりだったが
耳を塞ぐヴィクトリアに呆れていた
ユージーンは最初は驚いて
ヴィクトリアを説得しようとしたが
コレットとヴィクトリアの状況を見て
諦めた、そのあとは荷物の整理を始める
その夜、少年は扉の開閉音で目を覚ます
「すまない...起こしたな」
体を起こし、ヴィクトリアに頭を下げ
少年はお礼を言う
「ありがとうございます、薬にベットまで」
カタンと椅子に腰掛けるヴィクトリアは
少年を見つめる
「君は5歳くらいなのにしっかりしてるな
娘が5歳の頃はもっと幼かったな」
ヴィクトリアに娘がいる事にも少年は驚いたが
それより自分が5歳に見られている事に
驚きを隠せない少年が口を開く
「あの僕...8歳です」
「なに!?...そうか
それにしては栄養が足りてないからか小さいな」
少年の年齢に驚いたが
今後の話をする前に
「まだ名乗ってなかったな
私はヴィクトリア、君の名前は?」
少年は少し悩んだが
「名前はないんです
1週間ほど前は
奴隷商にいたんです
その奴隷商人達が
今日の大型モンスターに襲われて
どうにか逃げてきたので」
今までの経緯をヴィクトリアに話す少年
それを聞いたヴィクトリアは
「そうか、大変だったな
これからは私と一緒に来ると良い
この旅が終わったら我が家に来ないか?
娘の弟になってくれ」
その言葉は少年には嬉しい事だが
ヴィクトリアの息子になれと言う事だった
いきなり息子になれと言われてもと
少年は困っていると
「別にすぐと言うこともないから
この旅の間に考えておいてくれ」
わかりましたと少年は返事をして眠りにつく
ヴィクトリアはと言うと少し考え事があるからと
椅子に座り少年が寝付くまで見守る
しばらくして少年の寝息が聞こえると
「...それにしても不思議な少年だな
先程の話なら怪我をしたのは1週間前だし
それなら足はとっくに腐っていても
おかしくない
それに魔力がない
私にもわかるくらいの魔力量
今も尚、増え続けてる
...それにしても名前がないと
不便だな...うーん....」
そう考えていると夜も更けていき
やがて朝陽が差し込む
「夜明け...
長いな...ブレイク
よし、決まりだな」




