第44話
「元奴隷じゃ何が駄目なんですか?」
と、ブレイクはバーンズに問いかける
「いや、元奴隷がとかではなくて...」
ブレイクは内心ブチ切れていたが
頭は逆に冷静になっていた
「確かに僕は奴隷商にいました
正確には奴隷の子供なのでちゃんとした
奴隷かと言われると違いますけど
ヴィクトリアさんが心を痛めてくれたのは
たぶんそうだと思います
けど選択したのは僕自身です
ヴィクトリアさんは僕に息子にならないかと
提案はしましたけど強要はしませんでした」
ヴィクトリアがしたのは手を差し伸べた事
それを掴んだのはブレイクだった
「それに僕には奴隷商時代
母代わりにしていた人がいます
彼女が生きろと僕に託したんです
その思いで僕はここまで生きてきました」
メイベルとスイレンがブレイクを見守る中
バーンズがブレイクに問いただした
「じゃあなぜ、舞姫と親子関係を結んだ?
その母代わりにしてた女と似てたのか!?
恐らくだか違うだろう、なんせ!
舞姫の事を一度も母と呼んでないからな!」
「バーンズ!良い加減にしろ!」
ヴィクトリアがバーンズを嗜めるが
バーンズは止まらない
「俺はお前さんが嫌いとかそういうのではなくて
舞姫の負担になるんじゃねぇかと思ってる
娘もいる旦那には先立たれた
そんな中、いきなり息子だ?
娘が一度でも良い顔したか?使用人は?」
と、そこでバーンズの顔面に
濡れた収穫袋が投げられていた
「....けるな」
投げたのはメイベルだった
いきなりの出来事にバーンズは対応できず
顔面に収穫袋をくらい転倒した
「ふざけるな!
さっきから聞いてれば
ブレイクの事を何も知らないくせに
なんなんだその言い草は
ブレイクが母上をちゃんと呼んでない?
そりゃ、そうだろうよ!
母代わりの人と別れて
まだ1ヶ月も経ってないから
負担になる!?結構!家族ならそんなものだ!
使用人はもうブレイクの事を可愛がってたわよ!
私は母上が決めた事にとやかくいう気はないし
ブレイクと仲良くなるのにも時間が必要なのは
わかってるでも
誰がなんと言おうとブレイクは私の弟だ!」
捲し立てるメイベルにバツが悪そうなバーンズが
そこにはいた
「バーンズ今日はもう帰れ
これ以上お前が居ると
メイベルの血管が切れる」
「...わかった、わかったよ悪かったな」
バーンズは言ったことを後悔しながら
森の奥へと消えていった
「あの、ありがとうございました」
ブレイクがヴィクトリアとメイベルに
お礼をして少し頭を冷やしてくると近くの湖に
1人で向かった
「母上、私言い過ぎましたよね」
「いや、アレで良かったんじゃないか」
と、メイベルは平静を装っていたが
耳まで真っ赤だった




