第2話
「坊や...起きな」
少年はカルラに抱かれ顔をペチペチされた
「...ん?
おはようカルラ、どうしたの?」
カルラが起きた時には既に商人達が騒いでいた
昨夜、話していた大型モンスターが
早朝、宿の近くで目撃されたとの事
商人の部下達が騒ぐがそれを静止し
商人はこのまま進む事を決めた
部下達は渋々ついて行くしかなかった
「大型モンスターね...襲われたら
たまったもんじゃないね」
ガダガダ
馬車は進んでいくが
嫌な予感は当たるもんで
岩陰から大型のモンスターが姿を現し
馬車は壊滅、商人達は全滅
少年は吹き飛ばされ意識を失った
「坊や!」
カルラは這いずりながら少年の元へ向かう
周りは死体の山
幸い商人が死んだ事により
奴隷紋も消えており
少年とカルラは生きる自由を手にした
しかし
目の前のモンスターが
こちらを見て不敵に笑う
状況は絶望的だった
「...もうアレしかないか」
カルラは少年の頬を撫で
覚悟を決め、親指を噛みちぎった
血で円を描き逆五芒星を描く
悪魔召喚の儀式だ
召喚された悪魔がカルラに
「汝が我を呼んだのか?
して、願いは?」
カルラはモンスターを追い払うように願った
「では代償は其方の命でよいな」
カルラは少年を抱きしめながら
頷いた、少年を守れるなら安いものだ
「坊や!起きな!」
初めてカルラにビンタされ少年は
目を覚ます
「カルラ!何あれ!?」
悪魔がモンスターを追い払っていた
「今はいいから
ここから東に進むと大きな村がある
そこはルア王国の庇護下にある村だ
そこに向かうんだよ
わかったね」
悪魔がこちらに近づいてくる
「さて、代償をもらうとしよう」
昔カルラから悪魔召喚の儀式の事は
聞いていた少年はこの先の結末を知っている
「待って!
嫌だ!カルラ!カルラ!」
「坊やは、死ぬんじゃないよ」
そのままカルラは闇に包まれ
悪魔は消えてしまった
少年は右足に木片が刺さっていたが
そんな事は気にもならず
「.....母さん」
少年にとってカルラは
母親代わりではなく
紛れもなく母だったのだ
「嫌だよ...独りは嫌だよ
置いていかないで」
(坊やは、死ぬんじゃないよ)
カルラの最後の言葉を噛み締めて
少年は歩みを進める
足からは血が垂れ
痛みを伴ったが
すぐに気にならなくなった
東へとカルラが言った通りに向かう
日が暮れ始める
近くの木の根っこに腰掛け独り眠る
その日、夢を見た
そこにはカルラがいた
近づこうとするが
透明な壁に阻まれてしまう
「待って!母さん!
お願いだから置いていかないで!」
少年は叫ぶがカルラはだんだん薄くなって逝く
カルラが何かを伝えようとしている
(ありがとう坊や
私を母親にしてくれて
坊やは前に進まなきゃ
さぁ...いってらっしゃい)
「待って!」
飛び起きた少年は涙を流し
愛されている事を確認したのち
歩みを進める




