第17話
「どうしようかしら」
スイレンが悩んでいる理由は
ブレイクの魔法の使い方を教えたのだが
すんなり出来すぎて教える事がなくなってしまった
「すごいね、スイレンが教えてくれたおかげで
あっという間に出来る様になったよ」
自力である程度ブレイクは
魔法を使えるようになった
魔力量が規格外なブレイクの魔法だから
規模が大きくなるのではと心配だったが
そこは大丈夫でブレイクは
精密な魔力コントロールをスイレンに見せた
魔法になる前の魔力が使えるようになり
ブレイクの身体は老廃物を吐き出したような
そんな感覚で軽くなった様子だった
「スイレンの影響なのか水魔法も
使える様になったね」
「流石ね、それから
御主人様、魔法は熟練度が
モノを言うの、時間ができた時にどんどん
練習した方がいいわ」
スイレンが教えたのは一部にしか過ぎないが
このままブレイクが練習していけば
ブレイクに魔法で勝てるものは精霊王くらいだろう
そしていつか、ブレイクも精霊王になる時がくる
そんな会話を聞いたヴィクトリア達
ブレイクの魔法の習得速度に
クレアとメルはなんだか呆気に取られていた
ザッザッ
木の隙間を駆ける音がスイレンの耳に届く
大妖精に囲まれた
木の隙間から20体程の気配がした
「御主人様、魔法を展開して」
弓を引く音がし一斉に放たれた
合わせてブレイクは時間魔法を展開する
球体状に展開された魔法は矢を全て止め
大妖精達に余計に警戒され
「なんだアレは見た事がない魔法だ」
「危険だ一旦退くべきだ」
「それよりあの大精霊の方が危険では?」
大妖精達の話し声が聞こえ
ブレイクは魔法を解き矢が地面に落ちる
「あなた達の目的はなんですか」
率直な疑問をぶつけるブレイクに
大精霊達の答えは
森から出ていけとの事
獣王ブルガが暴れて森自体が危険な事
人間がここに居るのが良い事ではない
龍王グレイシアの許しなく立ち入れる場所ではない
「私達は王命で
龍王グレイシアに会いにきたんだが」
ヴィクトリアが、用事の事を言うと
大妖精達が少し焦り始め
「王命なら先に言え、グレイシア様は
今の人の王とは仲がいいからな」
なんだかあっさりと
大精霊達は退いてくれた
ブレイク達は森の奥へと進んでいく
「なんだよ、母上は俺なんか
どうでもいいんだろうな」
ため息を吐きながらロストは歓楽街へと向かう
このロストというドラ息子なかなかの
厄介者で酒癖も悪ければ態度もでかい
「フィートも遊んでくんねぇしなぁ」
グレイシアの具合が悪くなってから
ロストの暴走を止めていたフィートが
母のグレイシアに付きっきりになった事で
街でロストの相手をする者はいなかった
「...まぁ仕方ねぇか
アイツ、母上大好きだもんな」
裏路地をとぼとぼ歩いている
チッと石を蹴る
蹴った石が前に飛び
フードを深く被り怪しげな
雰囲気の人物が石を受け止める
その人物がロストに...
「ここにエリクサーがある
龍王に死なれては困るのでな
貴様にくれてやる」
なに?エリクサー?
ロストはフィートの言っていた
薬のことを思い出して
「寄越せ!これで...またアイツと」
フッと笑いフードの人物は目の前からいなくなった
ロストは急いで秘薬エリクサーを手に
グレイシアのもとへ向かった




