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ラブスレイヤー  作者: Raito11
第一章 やはり、ラブコメの幼馴染は面倒くさい
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第5話 後編 現実と決意 ①

授業が終わって教室を出ようとしたところ、委員長の椅子の側に落としたものを気づいた。


アニメキャラのキーホルダーだった。


委員長はとっくに教室を出て行って、僕と幼馴染ちゃんしか残っていないので、職員室に届けることにした。

別の校舎だから、校庭の細い路地を通らなければならなかった。


その時間は人がほとんどいない場所で、その道沿いの数本の木の間を通り抜ける午後遅くの涼しい春の風を感じることができたから穏やかな道のりのはずだった。


残念ながら、おしゃべり魔がいたせいでそれを満喫できなかった。


幼馴染ちゃんはまた嫉妬心を爆発させていた。


理解できた範囲では、幼馴染くんはバスケ部の部員で非常に忙しくて、部活のない日がほとんどなかった。

今日はその数少ない機会の一つだったので、幼馴染ちゃんと一緒に早く帰ると約束したらしい。


しかし、委員長は会議に行ったので、転校生の隣の席だから委員長の代わりに学校を案内してあげたそうだった。


地図も読めないのか!?

初日ぐらい同級生についていくこともできないみたいだ。

ラブコメの論理が本当に理解できなかった。


とにかく、香苗先生に頼まれたから、断ることはできなかった。


「ねえ聞こえてるの!?」


我慢強い方だとは思っていないけど、今までこんなに耐えることができるのは僕でも奇跡だと思った。


不意に止まるにしたので彼女が僕の背中に頭をぶつけてきた。


「痛い!何でもう歩かないの?先に言ってよ!」


彼女の方を向いた。

「いい加減にしろ!文句ばっかり言いながらチワワみたいについてくるのをやめろ!本当にウザイ!」

「は?なんでそんな言い方するの?だからあんたモテないんだよ。」

「君みたい文句を言いばかり、わがままで、自分の気持ちいをちゃんと言えない幼馴染はとても面倒くさい!」


彼女はその場に立ち尽くして、目を見開いた。

まさか僕が文句を言うなんて思ってなかった。

だって、ラブコメの幼馴染だからあまり文句を言われることに慣れてなかった。


「本当に幼馴染くんは可哀想だな。君と付き合いたくないのも、転校生の案内役をする方が好きなのはわかる。」

「やめて。」


彼女の声は小さかった。囁きのように、かろうじて聞こえた。


「きっとあいつら、すぐに仲良くなってあっという間に付き合い始めるよ。」

「黙って。」


幼馴染ちゃんの声には少しだけ力が戻って、普通の会話と同じくらいの大きさになった。


「こんなストーリーではいつもそうだ。幼馴染は決して勝てない。きっと案内の途中で何かが起きるんだろうな…」

「黙ってって言ってるのよ!」


今回、声は前よりも強くて冷たかった。

彼女の語気から、それが敏感な話題に触れていると分かった。


「何故黙らないと?今日、君の文句が聞きたいかどうか確かめずに、文句ばかり言ってただろう。」

「へえ!?誰かを好きになる気持ちも知らないのに、なんでそんなこと言えるの!?」


彼女は今、怒りで顔を真っ赤にして声を張り上げていた。

目は涙で潤んでいて、今にも泣き出しそうだった。

おそらくは、悔しさのあまりだっただろう。


「「は!」」


噂をすれば…


幼馴染くんと転校生が現れた。


「向日葵なんでここに?そしてなんで小西くんもいる?」


幼馴染くんが近づき始めたとき、転校生の女子が彼の腕をつかんで止めた。


ちらりと横目で見ると、向日葵が顔をしかめていた。


「京介くん、この二人を放っておいたほうがいいと思うよ。ちょっと邪魔しちゃったから…」

「邪魔って?なんのこと?」

「えっと…授業で彼女があんなに楽しそうに彼と話してるのを見たでしょ?それに、ここはあんまり人が来ない場所だし、確か『好き』って言った気がするから…もしかしたら告白の最中だったかも…」


来たぞー!! 典型的な誤解が起こってきた。


「は!?…えっと……向日葵すまん。」


彼は言葉に詰まるほど、驚いていた。

それを全く予想していなかったに違いなかった。


「きょうくん待って!」


彼女は状況を説明しようとしたけど、すぐに遮られた。


「幼馴染だけど、何も知らなかった…」


彼は複雑な表情を浮かべていて、どこか苦しそうで悲しげに見えた。


「ち、違うよ!」

「邪魔して、....ごめん。」


その言うと、幼馴染ちゃんの言いたいことを聞かなく、転校生と一緒に急いでその場を立ち去った。


「ち、違うよ!ご…かいだ......」


彼はもうここにいなくても、幼馴染ちゃんは震える声で話し続けた。

彼女は右腕を必死に彼のへ伸ばして、引き止めようとしているようだった。

幼馴染ちゃんは、とてもか弱く見えた。

まるで秋の紅葉のように、わずかな風でも舞い上がってしまいそうだった。

頬には涙が溢れるように流れ、彼女の視線は地面に向けられていた。


ある哲学者は、愛がこの上ない幸福の源だと言った。

だが同時に、それはとても壊れやすい幸福でもあるとも語っている。

愛を持つことで、人は自分ではどうすることもできない外の世界に心を委ねることになる。

それを失ったとき、あるいは報われなかったとき、人は深い痛みに襲われる。


幼馴染ちゃんはきっと、愛の暗い情動をずっと前から胸の奥に抱え込んでいたのだろう。


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