第57話
神々の王様と衛兵たちは、目の前で繰り広げられる光景に何と声をかけていいのか分からず、黙って僕たちを見っていました。
ようやく落ち着きを取り戻した時、自分の行動を恥じた。
恥ずかしすぎ!!子供のように泣いてしまった!
でも戦いはまだ終わっていなかった。冷静さを取り戻さなければならない。
次の行動を決める前に、愛子が立ち上がった。
「シンとこの世界に戻りたい。」
「し... しかし彼のせいで死にかけたんだ。」
「いいえ。これは私のわがままの結果だった。」
「しかし…」
実はこの王様がただ自分の子を非常に大切にしているだけの人だった。
この弱点を利用して状況を有利に転じらないと。
決意を固めて立ち上がった。愛子に再び会えた今、僕は無敵だと感じた。
「陛下、ご心配は理解していますが、こうすることで、愛子がようやく自由になれたのです。」
「どういう意味だ、人間?」
「そんな失礼な話し方やめて!」と、愛子は鋭い目で彼をにらみつけながら叱った。
神々の王様は無言のまま頷いて威厳をすっかり失っていた。
バカ親だ、あいつ。
「えっと…真一....」
ためらいがちに僕の名前を呼ぶと、彼は愛子の反応を確かめるように、さっとそっと彼女の方を見た。
愛子は満足そうな様子だった。
彼女は彼をコントロールしているようだ。彼を説得するのは思ったより簡単かもしれない。
「愛子はあの狭間の世界で孤独でした。陛下は愛子を一人にしてしまったのです。愛子は他人が幸せになるのを見ることはできましたが、そこに留まらざるを得ませんでした。ですから、どうか愛子の願いを聞き入れ、解放してください。」
「しかし、この世界を維持するために、彼女はすべての力を使い、死ぬ危険を冒さなければなりません!」
正論だったが、私には最後の秘策があった。この理不尽で現実的ではない展開を最後にもう一度使おうと思ったのだ。
「確か、好きな世界に転生できるってことだったよね?」存在すら忘れかけていた転生担当の神様に尋ねてみた。
「えっと…ええ。どうして?」
彼の答えを聞いて満足そうに微笑んでしまった。
完璧だった。
「では、愛子が創造した世界に転生させてください。そして、ファンタジー世界で得るはずだったマナを、愛子の世界を維持するために必要なエネルギーの補充と、愛子の死の防止に役立ててください。」
「確かに、そうしたら問題ないかもしれませんね…」転生担当の神は考え込むように顎をさすりながら答えた。
最終的な決定権は神々の王様に委ねられていた。
しかし彼の答えは皆を驚かせた。
予想外の答えだった。
「愛子、もしそうしたら、たとえ死を免れたとしても、あなたはあまりにも多くの力を使ってしまい、神としての地位を失うことになる!それでもそうしたいのか?」
愛子の長い人生で彼は初めて選択肢を与えた。
皆の視線が彼女に注がれていた。重苦しい沈黙が流れ、僕たちは彼女の答えを待った。
胸が締め付けられる思いだった。
愛子は一体何を選ぶのだろうか?
どんな答えを出そうとも、彼女はついに自分で決めることができる。自分の未来を自由に決めることができるのだ。




