第51話 死神は運転手
この世界が女神に創造されたのなら不可能ではなかった。
それでも、腹をきゅっとさせながら、僕は一歩ずつ前に進み始めた。
アドレナリンのせいで心臓が速く打って、頭の中で鼓動が耳をつんざくように響いた。
慎重に道路に向かって一歩一歩踏み出した。
「真一くん!?何してるの、信号はまだ赤よ!」
ようやく右足を道路に踏み出した。
振り返ると、桐乃が慌て始めているのが見えた。
「システムを利用している。」
彼女の差し伸べた腕が僕に届く前に、裁きの光が耳をつんざくタイヤの悲鳴とともに僕に衝突した。
そうだ。僕はトラックくんと異世界の展開に全て賭けた。
目を開けると、アポロのような美しさを持つ男性の微笑んだ顔が迎えてくれた。
金色の巻き毛をなびかせて、好奇心に満ちた目でじっと僕を見つめていた。
「不思議だな。普段来る人たちと違って、君は我を見て驚いていないみたいだね。」
成功だった!!
僕は体を起こして周りを見ると、そこは白く輝く無限のような空間だった。
懐かしい景色だった。
「今日は転生の予定はないな。君、お名前は?」
僕は立ち上がって、決意を込めて彼の目を真っ直ぐ見つめた。
今、計画がうまくいったことで、愛子に再び会えるという思いに、ここ数か月失っていた力が戻ってきたのだ。
「僕は真一。愛子を迎えに来た。」




