第3話 前編 案の定、転校生がいた。③
少し年上で、20代前半くらいの女性が教室に入ってきた。
多分教師だった。
彼女の整った長い髪はハーフアップに結ばれていて、一歩ごとに左右に揺れていた。
しかもあらゆるラブコメの女教師のように、豊満な胸と腰をしていた。
腕に抱えた大量のプリントの山に支えられて、彼女の胸元が強調されており、それがかえって魅力を引き立てていた。
「こんにちは…元気…ですか?」
息を切らしながら挨拶し終えたとたんに真剣な眼差しで、眼鏡をかけた男子が突然立ち上がった。
「香苗先生、重そうです。配るのを手伝わせてください。」
「いつもありがとう、水木くん。」と、眩しい微笑を浮かべて、先生が答えた。
「やっぱりうちの委員長はいつも親切だな。」
「毎日澪ちゃん先生を手伝ってあげている。真面目だよねー、偉い偉い。」
この人は委員長の塊。
「皆さんに良い知らせがあります!」と、先生が委員長が自分の席に戻ってから発表した。
さて、当ててみようか。転校生か。
「転校生がいます!」
こんな展開は予測しすぎだった。
「女子がいいなあ!」とか「かわいい子か?」とクラスの男子たちが言った。
ラブコメの定型的な反応ばかり。
「もう入ってもいいです。」と、先生は扉の方を見ながら、続けた。
そこから美少女しか描写できない女子が現れた。
同年代の若者にはめったに見られない豊かな胸元があって、美しい体つきは優雅に動いていた。
一歩一歩踏み出すたびに、彼女の胸はまるで大きなゼリーボールのように弾んだ。
率直に言うと、これは現実的なプロポーションではなかった。
どうやらラブコメの世界にいたので、もう驚かなかった。
こんな思考が脳裏に浮かび続けていたせいで、転校生の自己紹介を聞き逃してしまった。
大したことは見逃していないと思う。
「この学校の席はくじ引きで決まります。唯一の空いている席は、あそこで暁くんの隣だけです。」
先生は幼馴染くんの隣の席を指し示していた。
指さした席に座って幼馴染くんと挨拶を交わした。
転校生はまだ授業の教科書を持っていないみたいだったので、彼は自分の机を彼女の机に寄せて教科書を共有しようと提案した。
ありふれた光景で、興味を引いたのは別のことだった。
ギャルの前には、炎のオーラをまとった幼馴染ちゃんがいた。
彼女は嫉妬で燃えていて、もしラブコメの世界だったら髪の毛が勝手に逆立っていただろう。
あっ!そういえば、ここってラブコメの世界だった。




