第36話 後編 禁断の恋 ⑤
新たなラブコメ展開が起こるかもしれないと不安を感じつつ、愛子と一緒に学校へ向かった。
新しいキャラが登場すると、何が起こるのか分からない。
その日のうちに、委員長が先生との関係についての「誤解」を校長に説明しに行った。
幸いなことに、彼は全校生徒の前で「先生とは付き合ってない。俺だけが愛情を抱いているだけだ」と大々的に告白しなかった。
ラブコメではありがちな展開だが、両者にとって多くの悪影響を及ぼすところだった。
でも、この日の一番の注目すべき出来事は、僕が教室の奥にある大きなロッカーの中にいることだった。
誰が僕を閉じ込めたのかと考えているかもしれない。
答えは簡単。
犯人は、僕。
なぜこんなことしたのか?
実は今日の放課後、委員長と先生が二人で僕だけがいた教室に入ろうとしたのを見たから。
ラブコメ展開が始まる気配を感じた僕は、最善の策は隠れることだと結論づけた。
「先生、こんな誤解でご迷惑をおかけして、本当にすみません。」
謝罪しながら、委員長は頭を深く下げた。
「気にしないで水木くん、あなたのせいじゃない。」
「違う、先生。実は…先生のことが好きです。それが常識に反していることは分かっています。だから、気持ちに応えてほしいとは言いません。俺が高校を卒業するまで、待ってもらえますか。」
「あなたは私の生徒で、まだ若いよ。軽んじることになるから、気持ちが嘘だと言うつもりはない。でも、今も将来成人になっても、私はただの生徒としてしか見られない。ごめんなさい。高校を卒業した後でも、あなたの気持ちに応えることはできない。」
「分かりました。正直に話してくださってありがとうございます。」
彼はまるで機械のように教室を去った。
平然を装って普段通りに振る舞おうとしていたが、先生も僕も、それが心に響いていることに気づいていた。
今、体が熱くなっている。さっきの場面のせいなのか、それともこの場所が狭いせいなのか分からないけれど、まるでサウナにいるような気分だった。
汗で服が肌に張り付いて、濡れた布地が肌に触れる感覚がとても不快だった。
先生は教室を出る気配はなかった。
しばらくの間、彼女は黙って立っていた。
告白のせいなのか?
そして、振り返って、僕が隠れているロッカーをじっと見つめた。
「小西くん、もう出てきていいわよ。」
その言葉に驚いて飛び上がった。
狭い場所にいたせいで頭をぶつけてしまって、まるで金床をハンマーで叩いたかのような金属音が教室中に響いた。
隠れていた場所から出て、額をこすった。
「いつから気づきましたか?」
「最初から。それに安心して、もしあなたがそこにいなかったとしても、水木くんへの返事は変わらない。」
彼女は僕の質問を予測して、そう付け加えた。
「別の質問してもいいですか?」
「いいわよ。」
「この前、ショッピングモールで二人で何をしていたんですか?」
先生はしばらく黙って僕をじっと見つめた。
「言いたくなければ無理に言わなくてもいいです。」
「ううん、別に。ちょっと予想外だっただけ。覚えてる?この前、私が恋愛漫画を読んでいるって言ったこと。」
やっと分かった。
先生と生徒会長は二人ともオタクだったんだ。
だって、彼女は漫画を読んでいて、彼はアニメキャラのキーホルダーを持っていた。
ある意味、デートだった。
僕が理解したのを見て、先生は笑みを浮かべて、何も言わずに教室を出て行った。
委員長は元々オタクだったのか、それとも先生の趣味を知って近づく口実にしたのか、気になった。
でも、その答えは永遠に秘密のままで、おそらくそれが良いことだろう。




