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ラブスレイヤー  作者: Raito11
第四章 ラブコメの勘違いは面倒すぎ
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第34話  後編 禁断の恋 ③

立ち去ろうとしたとき、桐乃と会った。

僕の惨めな状態を見て、抵抗しても無理やり保健室まで引っ張られてしまった。

しかし、保健医さんがいなかった。


どうしてラブコメでは保健医さんはいつもいないだろう!?

まあ、いたとしても、やっぱりデカイおっぱいのお姉さんに決まってる。


「そこに座って〜!」

桐乃はベッドのひとつを指さして命じた。

「なんで?」

「す・わ・っ・て・!」

「りょ〜かいっ!!」


議論しても無駄だと分かっていたので、素直に従った。

ちょうど今気づいたけど、周りの女の子たちは完全に僕を手のひらで転がしてるんだよな。


桐乃はため息をつきながら棚をガサゴソ漁り、箱や瓶をガチャガチャ動かしていた。

やがて目的の物を見つけたらしく、満足そうな顔でこちらへ戻ってくる。

小さなプラスチックの箱から、綿と消毒液を取り出した。


「消毒なんて必要ないって。帰ったら顔を水で洗えば大丈夫だから。」

「チョイスさせてあげる。おとなしく消毒するか、それともあたしがボコボコにして、あんたが自分から消毒したくなるか。どっち〜?」

「二択しかないから選択肢ではなく、ジレンマだ。」

「そんなこと言えるなら、そんなにボコられてないっしょ?」

「だから、消毒いらないって言ってるんだよ。」

「真一くん…」

「お嬢様のおおせのままに〜」


彼女は綿に消毒液をつけて、まず優しく唇に押し当てた。

激しい痛みが走って、まるで焼かれたかのようだった。


「痛い!!しみる!!」

「当たり前でしょ〜、唇裂けてるんだから。」


ああ、またバカ扱いされた…


しばらくしたら痛みも和らいで、消毒液が染みた綿のしっとりした感触だけが残った。


「マジ殴られるの好き? ドMじゃないの?」

「安心して、あんたに比べたらくすぐったいだけだった。」

「じゃあ、ボコボコにしてあげよっか?」

「いらない。」


終わったあと、彼女は傷に絆創膏を貼った。

正直、自分でやればいいんだけど。

そうだったらあまりラブコメの展開らしくない。


それに、女の子に消毒されるのってちょっと恥ずかしい。

顔がほんの数センチしか離れてなかったけど、終わったときにようやく気づいたみたいで、目が合った瞬間に急に離れた。


「ねぇ、質問あるんだけど。あんたをこんな状態にしたやつって誰?」

「えっと…桐乃…本当に怖いんだけど。」


背中がぞくっとした。


「教えたら、明日には新聞に載ってしまう気がするけど…」

「心配すんなって!殺すとかしないよ〜。ただ死にたくなるくらいボコボコにしてやるだけっしょ〜」

「ちょっとやりすぎ。それって結局同じことだろう!!」

「そう思う?」

「もちろん!!そんなことしたいって思ってくれるの嬉しいけど。」

「そりゃ当然でしょ。で、誰がやったの?」

「ありがとう。でも気にしないで、別にやる必要はない。もう十分痛い目にあったと思うし。」

「そんなに彼を殴ったの!?」

「ノーコメント…」


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