第32話 後編 禁断の恋 ①
「ねえ!澪ちゃん先生は委員長と一緒にショッピングモールにいたらしい。」
「え、本当!?まさか…?」
「確かに、委員長っていつも先生に話しかけてるし、こっそり付き合ってもおかしくないよね。」
月曜日の朝っぱらから教室に入った途端、そんな話を耳にした。
人って、他にやることないのか。ゴシップばかり!
何が起こるのかを理解するために、戦場にいた頃までさかのぼろう。
ようやく、人を拷問するためにデザインされたこの施設のフードコートに向かったときのことだった。
そこでは、委員長と先生が一つのテーブルで楽しそうに話しているのが見えた。
それを見て、すぐに噂が広まってしまわないように僕は急いで向日葵に「誰にも言わないで」と頼まった。
嫌な予感があったので、あらゆるシナリオに備えることにした。
それをやっておいて本当に良かった。
委員長が教室に入った途端、三人の女子に取り囲まれて、逃げ場を塞がれた。
まるで血に飢えたハイエナの群れのように…いや、血ではなく噂話に飢えた群れだ。
彼は黒板の前に追い詰められ、完全に包囲されてしまった。
「委員長さんよ、澪ちゃん先生と付き合ってるの?」
直球すぎ!
これ以上ストレートにはできないだろう。
もう少し角を立てずに話せないのかよ。
なのに女の子たちは、「男は気が利かない」って文句を言うんだ。
彼は何が起こっているのか理解できず、取り囲む女子たちを交互に見て、途方に暮れた表情をしていた。
「週末、二人が一緒にショッピングモールにいたのを見た子がいるんだよ」
僕の出番だ。
「本当だ、僕も週末に見たんだよ。書籍コーナーにいたとき、先生と一緒にいる君を見かけたの。教科書のことで相談してたんだったっけ?」
委員長はすぐに、僕が助けに入ったことを理解した。
「ええ…ええそうです。」
「えっ!!それだけ!?」
女子たちは明らかにがっかりして、一斉に叫んだ。
「みんな、噂話が好きなのはわかるけど、気をつけなよ。こういう噂は問題になるかもしれないんだから。校長先生が、先生と生徒が付き合ってるのことを知ったらどうなると思う?それに、幸いにも先生が君たちの取り調べのときにいなかったからよかったけど、もしいたら先生も困る。」
まったく、介入して本当によかったよ。こういうシナリオってラブコメではべたな展開。
誤解が解けるのに何章もかかることもあるんだ。
解決策は、委員長員みたいに躊躇せずに行動して、対話して、論理と常識を使うことだ。
彼の場合、全く予想していなかったので、驚くのも当然だった。
女の子たちが去った後、学級委員は僕にお礼を言った。
それでも、彼の顔には暗い表情が浮かべて、僕のことを一度も見ようとはしなかった。
その理由は後で懲りた。




