第28話 一難去ってまた一難の帰還
「小西くん、どういうこと!!?」
「愛子ちゃんとどゆ関係!?」
クラスの男女は僕の席に押し寄せて、こうした質問を次々と浴びせてきた。
原因は新しく転校してきた愛子だった。
でも、それだけではなかった…。
教室に入って最初に彼女がしたことは、いつもの「ダーリン」で僕に挨拶した。
もちろん、それは誤解を招いた。
「あたしも知りたいんだけど〜。誰かがあんたに馴れ馴れしいとかマジありえない?」
「君までか!?」
「で、誰なの?」
僕が答える前に、愛子がこっちに向かってきた。
でも僕の方ではなく、向日葵を見に来たのだ。
「向日葵ちゃん、ヤッホー!!」
愛子は両手を顔の高さまで上げた。
「愛ちゃん、おっは~!!」
向日葵は愛子の手にタッチして応えた。
このやり取りに、桐乃はかなり驚いた。
「向日葵ちゃん、この子知ってるの!?」
「うん、昨日会ったんだ。」
「マジ!」
「やっほー、桐乃ちゃん!ダーリンが君のこといっぱい話してたよ。」
「えー!?あたしのことなに言ったのよ!?早く答えよ、真一くん!」
「先ずその拳を下ろしてくれ、桐乃…」
「ってか、このダーリンってどういう意味!?付き合ってるの!!?」
「彼女の言うことは気にすんな。知り合い…というか、正確に言えばストーカーか。」
「酷いよ、ダーリン。私はストーカーなんかじゃないよ。で、桐乃ちゃんへの答えだけど、私はダーリンのこと、誰よりもよく知ってるんだ。」
「それって結局ストーカーってことではないか」と、僕は皮肉っぽく返した。
「幼馴染だもんね。」
「本当なの、真一くん?彼女はあんたの幼馴染?」と、少し戸惑った様子でキリノが聞いた。
「ああ、そういうことにしておこう。」
「それならちょうどいいな。彼女を案内して、学校を回らせてやれよ。」
声をかけてきたのは、たまたま通りかかった委員長だった。
「本来、それは君の役目ではないのか?」
「ああ、でも彼女はもう君のこと知ってるだろ?だからこれが一番合理的な判断だ。」
「相変わらず理性の化け物だな我の委員長だな」
「よく言われるんだ。」
こうして、さらに穏やかとは言えない日々が始まった。




