第21話 後編 一難去ってまた一難 ②
午後の柔らかな陽射しが窓際に座る僕の顔をそっと撫でていた。
買ったばかりのケーキのやさしい甘さを味わいながら、店内の柔らかい茶色に包まれたカフェのかすかな物音に耳を傾ける。
僕は椅子のクッションにもたれ込んで、まるで綿の雲のように浮かんでいるかのような感覚に浸った。
「ここ、居心地いいなあ…」
授業のあと、向日葵から逃れるためにこの喫茶店で休むことにした。
向日葵は京介と一緒にいない時はずっと僕についてきた。
どこへ行っても、彼女はいつも桐乃と一緒に現れた。
彼女の告白を成功させてから、ずっと幼なじみと一緒にいるだろうと思っていた。
でも、彼はバスケ部だから、仕方なく彼女は僕と話していた。
恩を感じていたのか、あるいはただの暇つぶしだったのかもしれない。
別に構わないけど、本当におしゃべりが止まらない。
一度話し始めると、全然終わらないんだ。
だから授業終了のチャイムが鳴るとすぐに教室を出て、この展開を避けることにした。
「やっと静かだ…」
この世界に来て以来、まともに休む暇さえなかった。
フルーツドリンクを一口すすって、窓の向こうに見覚えのある人影が見えたような気がした。
「ありえない…」と、小さくつぶやいた。
もう一度確認するために窓の外を見た。
彼女を見た瞬間、飲んでいたものでむせそうになった。
現実的ではないけどもしこれが漫画なら、飲み物が吹き出していただろう。
それでも、今僕はこういう世界にいるのだった。
店の外には、僕の学校の制服を着た少女が立っていた。
笑顔は眩しいのに、僕の背筋がぞくっとした。
僕に気づかれたと悟った彼女は、元気に手を振って挨拶した。
その瞬間、僕の休息は終わったとわかった。
彼女が入口に向かって歩き出して、テーブルの間を優雅にすり抜けて、僕の前に立ち止まった。
もう逃げない。
「やっほー、ダーリン!」




