第12話 中編 デートの準備と世話が焼ける向日葵ちゃん ③
向日葵たちが言い争いを続けている間に、僕は時計を見て、その時刻に眉をひそめた。
「えっと…邪魔するつもりじゃないんだけど、その…どうする? 家まで着替えに行って、戻ってくる時間…あると思うか?」と、向日葵に尋ねた。
彼女が返答できる前に桐乃は代わりにそっけない口調で答えた。
「マジで時間はない。」
「どうする、どうする!?私、着替え持ってない!」
交互にものすごい速さで見ながら、向日葵がそう問いかけた。
「じゃあさ、あそこのお店で買えばいいじゃーん。どうせ一緒に服買いに行きたいって言ってたじゃん。ちょうどいい機会っしょ。」
「メイクは!?」と、少し落ち着いた様子の向日葵が付け加えた。
「安心して、ちゃんと持ってきたからね〜。」
桐乃は満足そうに微笑みながら、自分のハンドバッグを指さした。
「女神だ。」と、向日葵は憧れのまなざしでささやいた。
桐乃は女神になったのか!?
とにかく、こういうことは桐乃に頼りになるって知った。
さすが、ギャル。グッジョブ!
・・・
桐乃たちについて行きながら、僕は棚に並んでいるものを見ていた。
いろんな種類の服が本当にたくさんあるなぁ。
女の子たちが買い物にあんなに時間をかける理由が少し分かる気がした。
「何を着たらいいかな?」と、向日葵が桐乃に聞いた。
「専門家の真一くんに聞けば〜?」
まだ僕を疑ってるのかな?
正直、専門家ほどではないけど、方向性くらいは示せるかな。
「幼馴染くんの好みは何?」
「好みって?」
「単にいうと、あいつの性癖。脚が好きなら、その部分を強調する服装にするといい。スカートにタイツとか。コントラストや色をうまく使って、さらに強調することもできる。」
そんなのは漫画やアニメでよく出て、この世界はその作品を真似するからラブコメの論理を利用しようと思った。
桐乃、僕は潰れたゴキブリみたいな目でこっちを見るのやめてよ。
べ…別に僕のフェチではないよ......
「マジ、あいつ全然頼れない〜。」
「本当に、男ってチョロい。愛情を育むには、外見も重要なパラメータだと言っただろう。」
あいつらといると本当に馬鹿にされてる気がする。
しかし、その反応はなんとなく分かった。その言い方は、向日葵が幼馴染くんの性癖を満たすための単なるオブジェクトであると言っているのと同じだからです。
残念ながら、漫画では女性はそのように描かれることが多い。
「向日葵ちゃん、このド変態の言ったことを気にしないで。もっと可愛く見える服を探そう!そうすれば、暁くんもマジでビックリになる〜。」
ついに、向日葵の買い物を精算するためにレジにたどり着いた。
とにかく服装の価格は想像したより高価だな。
幼馴染くんと将来の桐乃の彼氏を気の毒に思う。
まあ、こんな暴力系ギャルと付き合える愚か者がいるならだけど。
「向日葵ちゃん、メッセージが来たよ。」と、携帯が振動する音を聞いた桐乃が言った。
受け取ったメッセージの内容を見た瞬間、向日葵は目を見開いてパニックになりそうになった。




