けっして期間内に投稿してはいけない楽屋話
その怪談・・、もとい、『してはいけない企画』メインキャラたちによる会談は素人小説投稿サイト転覆を目論んでいる『なろう過激派』からの追跡をかわす為、スペシャル過疎ジャンルである『アクションジャンル短編区分』にて密かに開かれた。
勿論、検索に引っかからないようにキーワードなども設定していない。更に開催時期も企画終了後とする念の入れようだった。
この対策により本作の読まれ具合は念願の一桁PVを達成するはずである。
では、その会談でどのような事が話し合われたのかを見てみよう。
その日、極秘会談の場として選ばれた『豪華なマンション』の一室に現われたのは、某個人企画『してはいけない企画』でメインキャラを務めた『美沙』と『名無し』だ。
ただ、今回は会談という性質上『名無し』では具合が悪いので仮の名として彼女の事を『恋菜』と呼ぶ事とする。
そんなふたりは部屋に入ってくるなり次のようなやり取りを始めた。
「恋菜、この部屋に置いてあるものは動かしては駄目よ。でもゲーム機は好きにプレイしてもいいと思うわ。多分猫も触って大丈夫だと思う。でもなんで会談の場にベッドがあるのかしら?」
「男を連れ込んで使えって事なんじゃないの?まっ、私はそんな事しないけどね。」
「恋菜・・、発想がオヤジ化しているわよ。」
「冗談だってばっ!そもそもこんなにスタッフがいる場でエッチな3文字行為なんて出来るわけないでしょっ!」
「そう?あなたならやりそう・・。」
「誰がやるかーっ!そもそも連れ込める男がおらんっ!」
「恋菜・・、なんて不憫な子・・。」
「いや、そこで『ガラスの仮面』のパロティはいらないからっ!そもそも誰も判らないからっ!私も先に台本を読んでいなかったら気付けなかったからっ!」
「ねぇ、見て、恋菜。冷蔵庫の中はあなたが食べた事がないような高級食材でいっぱいよ。」
「私の突っ込みはスルーかいっ!あっ、でも本当だっ!おーっ、このお酒はもしかして『マッカラン』?しかも25年モノっ!」
「恋菜、外見だけで判断しちゃ駄目よ。今はラベルなんていくらでも偽造できるんだから。なので中身は麦茶かも知れないわ。」
「あーっ、あり得そうで嫌だな。となるとこの『キャビア』も実は筋子のイカ墨漬けかもしれないね。」
「そうかもね。あっ、でもこのビーフジャーキーは本物っぽいわ。」
「なんで?」
「だって値引きシールが貼ってあるもの。」
「本当だ・・、しかもワンコインセール品だ・・。」
「と言う事で、まずは本物と思われるこの缶ビールとジャーキーで企画の終了を乾杯しましょう。」
「おっけぇ~。あっ、見切り品シールが貼ってあるトンカツもあるっ!えーと、電子レンジはあるかな?あっ、あったっ!よしよし、今日は中々豪華なツマミだわっ!」
「恋菜・・、なんて不憫な子・・。」
「それ、さっき言った。というかネタを被せるのはトンカツじゃなくて『天丼』よっ!」
「では、本企画の総括を始めましょう。」
「都合が悪くなったらスルーかいっ!まっ、いいわ。その前に乾杯じゃーっ!」
ぐびぐびぐび・・。
「ぷはーっ!うんっ、まずいっ!もう一杯っ!」
「恋菜、突っ込まないわよ。」
「えーっ、何でよ。突っ込んでよ。」
「そもそも青汁のCMのパクリなんて誰も覚えていないわ。」
「そうかなぁ、結構流行ってた気がするんだけど?」
「確かに流行ったわよね。しかも実際に飲んだら本当にまずかったから嘘も言ってなかったし。」
「でも健康にはいいはずだから、みんなの関心をそっちに呼び込むのには成功したんじゃないかなぁ。」
「そうね、そうゆう意味では『してはいけない企画』も解りやすいテンプレを用意した事が、これだけの反響を呼んだのかもね。」
「そうかも。まさにこれぞ『ザ・テンプレ』ってスタイルだったものね。ネタとオチさえ考えつけば幾らでも投稿できたし。」
「ただ、簡単が故に粗製乱造になったのが過去のハイファンジャンルだったわ。」
「はははっ、まっ、昔話は置いとくとして今回は若い子っぽい方の参加もあった事がびっくりだ。」
「そうよねぇ、読み手側としても若い子は『ドリフターズ』なんて知らないはずなのに。」
「でも、ここの読者層を考えると今時の子が夢中になっている事をネタにされたら、逆にじいさんたちが置いていかれちゃったはず。」
「まぁ、ネット上では実年齢は判らないから踏み絵代わりに試すのも有りかもね。ふふふっ、何人引っかかるかしら。」
「黒い・・、黒美沙がいる・・。」
「こほんっ。では参加してきた作品群のデータ解析が終わったらしいので発表します。でも一々口語で発表するのは面倒だから一覧を書き出します。」
「カレーにスルーされた・・。あれ?ちゃんと変換されないな。いや、前に使った言葉が『カレー』だったのか。むーっ、IMEも利口なんだかアホなんだか判らんな。」
「独り言が多いいわよ、恋菜。で、改めて投稿作品の情報はこちらよ。」
参加作品数:57作品 (内、12作品は主催者。なので真水は45作品)
参加作者数:23人 (主催者を含む)
最多投稿者:しいなここみさん 12作品
次点:スイッチくんさん 7作品
次々点:秋桜星華さん 5作品
1作品のみ参加:14人
2作品で参加:2人
3作品で参加:1人
4作品で参加:3人
ジャンル別投稿数
ホラー :21 恋愛異世界: 3 アクション: 1
コメディ :13 空想科学 : 3 ローファン: 1
その他 : 6 純文学 : 3 推 理 : 1
ヒューマン: 4 恋愛現実世: 1 S F : 0
「くぅ~ん、SFでの参加がなかったよ、美沙・・。」
「そうね、でもそれって普通じゃないの?と言うか、SFの執筆は法律で禁止されているはずだし。」
「されとらんわーっ!でもジャンルとしてはホラーとコメディが強かったね。」
「そうねぇ、まぁ、これはテンプレの参考作品がそっち系だったから引っ張られちゃったのかもね。」
「あっ、アクションジャンルで参加してきたアホもいる。」
「恋菜、そいつは本当にアホだから関わっちゃ駄目。アホがうつるわよ。」
「うわ~、えんがっちょっ!」
「後、一覧には書かなかったけど、企画参加作品への反応の特徴として殆どの作品に感想が贈られていたわ。ただ、データを修得したのが期間終了直後だったから終了間際に投稿された作品にはまだ感想が贈られていなかったけどね。」
「テンプレが存在した影響もあるんだろうけど、文字数も1千文字台に収束していたね。」
「そうね、連載形式で参加してきた作品は1万文字を越えているけど、大体は1千文字台でオチを付けているみたい。」
「むーっ、やっぱりテンプラは偉大だなぁ。」
「では最後のご挨拶に移ります。」
「くっ、スルーされた・・。これがボケ潰しってやつなのね・・。」
「今回の予想外の盛況に対して主催者はおひとりで特別に祝宴を挙げる予定だそうです。ただ、それだとちょっと寂しいのでリモートでの参加を呼びかけています。なので10月6日の午後8時にそれぞれの地にてみんなで中秋の名月を見上げながら缶ビールを飲みましょうっ!との事でした。」
「えーっ、それだとお酒が苦手な人は参加できないじゃんっ!と言うか、主催者は毎日祝宴してるじゃんっ!別に特別じゃないじゃんっ!」
「あっ、確かにっ!しかも投稿者の中には未成年の方もいるはずなのに配慮がたりないわっ!」
「でしょ?なので水道水も可としておくべきだと思うんだよね。もしくはペット用のミルク。」
「水道水・・、随分コスパがいいわね。と言うかなんでミルクがペット用なのよっ!」
「えーっ、だって酒飲みの家には人間用の牛乳なんてないはずだもん。」
「ペット用ならあるんかいっ!」
「少なくとも一軒の家にはあるっ!」
「あーっ、確かにあるらしいわ。もっとも飲んでいるのは犬や猫じゃなくて白いフェレットだけど。」
「でしょ?しかし名月を愛でながら一献とは中々シャレオツね。お団子とかも用意しておいた方がいいのかな?」
「お団子よりはヤキトリの方がビールには合うと思うけど?」
「甘党の酒飲みもい・・、ないか。」
「いてもいいけどね。ほら、ブランデーとかだとチョコレートをおつまみにする事もあるらしいし。」
「マジかっ!まっ、なんにしても花より団子は春のお花見の風物詩だから、秋はしっとりと風情を楽しむべきかな。因みに10月6日の午後8時のお月様は南東の方角にあるらしいよ。そしてその右横に他よりも明るく輝いているはずの星は『木星』なんだって。まっ、見れるかどうかは天気次第なんだけど。」
「まぁ、恋菜ったら何処からそんな情報を仕入れてきたの?」
「シュワちゃんのスカイネット。」
「ネットなんだ・・。さすがは恋菜、最近の子だけの事はあるわ。使いこなしているわねぇ。」
「むふふふ、そうなのっ!恋菜ちゃんは時代の申し子なのっ!だから永遠の○○歳なのっ!」
「何故に伏字になる?まっ、いいわ。さて、それじゃ大体話も済んだしバトりましょうか。」
「そうだね、アクションジャンルに投稿している建前上、バトっておかないと突っ込まれるからね。」
「まぁ、そもそもアクションジャンルは読み手がいないから可能性は低いんだけど一応ね。」
「保険よ、保険。それじゃ行くわよっ!最初はグー、じゃんけんポンっ!」
成る程、確かに『じゃんけん』も一種の決着決定行為だからバトルと言い張れるのか・・。でも、じゃんけんは『サザエさん』でもやっているからなぁ。
因みに、作中の月見で一杯云々は創作です。そんな企画は存在しません。でもお月見という風習は昔からあります。なので皆さんもたまには夜空を見上げてみてねっ!
-お後がよろしいようで。-