水晶豚と大根の冷たいそば
暑い日が続くと、ごはんを炊く気力が削がれる。
炊くのは炊飯器なのに。
鍋炊きはコンロが一口埋まるからと、こちらもこちらでサボり続けて久しい。
必然的に麺類の出番が続く。
もっとも、茹であげた麺を冷やして盛り付け、食卓につく頃にはわたしから魂が抜けているのだが。
魂がなんとか戻ってきてから食す日々でもある。
そばに揚げ物が乗っているように見えるが、こいつはめんつゆと和えた大根おろしである。
おろしそばが食べたい。しかし、そうすると別におかずを作らなければならない。
それは嫌。
という我儘から、一品で完成させることにした。
豚しゃぶでもよいのだけれど、めんつゆのからみをよくしたくて、水晶鶏ならぬ水晶豚。
大根おろしだけは、がんばる。がんばらないと食べられないから。
できた大根おろしはしぼることなくそのまま、めんつゆを濃いめの味になるように加えて冷蔵庫で冷やしておく。
豚こまは、片栗粉をもみ込んでから広げて茹で、氷水にとって熱をとり、ざるにあげておく。
茹でたそばを流水で洗ってぬめりをとり、水気をきったら器に盛る。
奥に肉、手前に大根おろしつゆを盛る。そばの上に肉を広げ、上に大根おろしをのせるのもあり。
ねぎを刻んでおくのを忘れたので、きざみのりをのせてごまかす。
薬味の種類ははお好みで。大葉や茗荷も合うはず。
大根の量、または大根の汁が少ない場合は水を足して調整する。汁麺というよりは混ぜ麺。
豚こまに限らず、薄切り肉ならおっけー。
別日に、大根おろしでない水晶鶏そうめんばーじょんも作ったのだが、なぜか写真がなかった。
よっぽどお腹が空いていたのか。
鶏むね肉をひと口サイズ、1cm厚みくらいの削ぎ切りにして、塩こしょう酒を振っておく。
1.5cm角くらいに刻んだトマトをめんつゆ、酢を1:1で合わせたものと混ぜて冷蔵庫へ入れておく。トマトから水分が出るから、水はいらない。
鶏むね肉に片栗粉をまぶして茹で、氷水にとって熱をとり、ざるにあげておく。
茹でたそうめんを水で洗って水気をしぼり、器に盛る。
そうめんの上に鶏肉を置いたら、周囲にトマトつゆを回しかける。
きざみねぎか、ちぎった大葉などを添える。
めんつゆとトマトだしの相性がよい品である。
パウチの大根おろしがあることは知っていたけれど、フリーズドライの大根おろしがあったのには驚いた。
価格にも驚いて手は出せなかった。一人暮らしの人に向いているのかもしれない。