参鶏湯風
暑気払い、それは夏の暑さによって体内に蓄積された熱や疲労(暑気)を払うことで体内の熱を除き、暑さに負けないようにする年中行事。特に決まった日があるわけではなく、一般的には七月中旬から八月上旬頃といわれてはいるが、暑いもんは暑いのでこの時期でなくてもする。
それが今。
プールや海に行ったり、冷たいものを飲食したり、納涼会を開いたり?
そんな中のひとつに、韓国料理である参鶏湯を入れてみる。
暑気払いでいただく料理のひとつ。とてもあたたまるから冬に食べたくなるのだけれど。というか冬にも作るけど。
本来は、鶏の雛鶏のお腹に高麗人参や松の実などを詰めて煮込む薬膳スープ。でも雛鶏なんか手に入らないから(丸鶏なら可能)、手羽元で作る簡易ばーじょん。だしは手羽先の方が出るものの、食べやすさ重視で。
もち米が食べられなくなってからしばらくはもち麦を入れていたけれど、それすらあやしくなってきたから、米は省略することにした。
普通に米飯を炊いて食べる。
写真はもち麦入り。
本来の形とはかけ離れた状態ではあるが、これはこれで気に入っていたりする。
絶対にはずせないのが、甘栗と干し棗。他はなくてもどうとでもなるけれど、この二つだけは必須。
高麗人参は高いうえに受け付けない可能性が高いので、それっぽい風味を出すためにごぼうを投入。大根は嵩まし、にんじんは香味野菜だから。という割と強引な理由。野菜も摂れるし。
鶏手羽元は軽く茹でて灰汁をとり、あげておく。汚れていたら流水で洗う。
大根はいちょう切り、にんじんは大根に合わせて輪切りからいちょう切りまで。ねぎは斜め薄切り、ごぼうは食べやすい大きさに、だいたい三センチくらいかな。太ければ半割りくらいにする。
甘栗は剥き甘栗を買ってくると手間がない。干し棗は大きければ適当に切り、種があれば除く。松の実、クコの実、にんにくと生姜の千切りとともにすべてを鍋に入れ、かぶるくらいの水、鶏ガラスープの素、塩を加えて火にかける。
沸騰したら灰汁をとり、弱火にしてじっくり煮込む。途中で洗ったもち米を加える。もち麦の場合もここ。もち米はどろどろに溶けて鍋底で焦げやすいので注意。もち米も薬膳に分類されるんだよね、体をあたためて気を補うということで。ちょっと多めにもち米を入れて、お粥みたいにして食べるのが好きだったなあ……。
四〇分~一時間程度で、軟骨が食べられるようになる。少し歯応えが残るから、もう少し煮込んだ方が食べやすいかもしれない。
煮込む間は薄味で、食べるときに適当に調味料を足したり、キムチなどを添えていただく。ポトフと似ているのかもしれない。