草原の覇王
フォース=エセラーの短編です。 読みやすいですヨ。 凸凹コンビ。カールとソフィアとアラゴーの旅。 今度の冒険の舞台は、草原だ。面白いよ。 ぜひ、読んでみてね。^_^
口草原の覇王
キングデーモン 3
デーモン 6
常闇の魔窟は、幾千もの風格を思わせる、荘厳な作りになっている。
黒曜石の、壁は、濡れている。
どこからか、恐怖の色、声。
地に響くような、バスの、音で魔神語が話されている。
頭巾で頭を隠した、漆黒のスーツに、巨躯の男性、6名。
もれる言葉は、魔神語だ。
話す主の、後ろの佇む、城の城壁を思わせる、魔人。
体の影、斜角の影は、すべてを包み込む。
「グル、グルルルルル」
キングデーモンだ。
知識はなく、残虐。巨大な体に、腕が6本。
動くものには、襲ってくる。
頭はなく、頭のある位置に、巨大な牙のある口が開いている。
腕で、つかんで、人飲みにするらしい。
空腹なのか、3体は、寄り添って立っている。
英語
「朴徒が、腹をすかせている」
「エリアズ=シーランド。イソソソップ村に、裕福な、牧場」
「朴徒に、血の食事」
「三日後」
「少しの間、眠れ」
口砂漠の民
頭にターバンを巻いた、砂漠の民。
腰には、シミターをつけている。
ジープに荷馬車。
荷馬車の横、爆薬の箱が積み上げられている。
「復活した、キングデーモン」
「いざ、戦いの時」
「爆薬はある」
「ジハーザ」
「ジハーザ」
口白金の渚亭
ランド=ダデム
白金の渚亭。正午。
季節は、春。
春の知らせをつげる、心地よい、春風が、半開きの窓から入ってくる。
かすかに、風で動く、依頼書。
薪ストーブは、片付けられている。
うたた寝する、カールの周りで遊ぶ、ユトとテオ。
ユトとテオのお母さんたち。
初めて、冒険者の宿に招待されている。
ソフィア「で、この依頼書で、ミッションに行って、稼いだりするの」
お母さん「はあーすごい。成功報酬の、桁がちがうわね」
ソフィア「フフフ」
エディブ「ファミリーの皆さん! 今日入ったばっかりの、新鮮な情報はどうだね?」
「旅行の広告なんだが」
広告『ホテルランナウェイに泊まる、海風のランド=ヨリサール12日間。
憧れのスイートルームに泊まる、カジノユリーサ極上のひととき。
人々の夢、うずまく、一大歓楽街ユリーサ。
最強ARで、君は、みごと脱出し、賞金を勝ち取れるか?』
お母さん「ユリーサね」
ユト「AR! 行くー!」
テオ「私もー」
カールを小突く、ソフィア。
カール「んにゃ?!」
エディブ「カール、久々に、ファミリー連れで、小旅行なんかどうだ?」
カール「?!」
昼食をとりながら、話を遅れて聞くカール。
口いっぱいに、ホットドッグを頬張りながら。
カール「んっ? いいね! 前から、カジノ行ってみたかったんだ」
アラゴー「家族のかたまで、払わせることはなかろう」
ソフィア「そうね」
エディブ「太っ腹だな!」
カール「?!」
かくして、冒険者一行が、ファミリーの旅の代金ももつことに。
ユト「スターフィフスに、ジェラシックスパーク!」
テオ「ミニフォース」
ユト「アトラクションARだから、コースターかな?」
テオ「ライトARゴーグルつけてね、コントローラで戦う」
盛り上がる子供たち。
ユト「前から、遊んでみたかったんだ」
テオ「アトラクションAR、私、負けないわよ」
ユト「なにおー」
逃げる、テオ。
割って入る、カール。
カール「まあまあ」
テオ「おじさんできるの?」
カール「&%$#~」
馬車は、青空のもと、定速を
守って、走っている。
馬車の中で、気持ちよさそうに眠っているカール。
「むにゃ、むにゃ」
イビキをかくカール。
ダデムから、ミシュトラン。
船で、運河を渡って、ペッテコの塔。サンシティ。
馬車で、カラカラと、イソソソップ村へ。
あとは、ひたすら、ヨリサールへと、馬車を急ぐ。
途中、休憩所を経由しながら、旅はつづく。
子供達は、歌を歌い。
奥さんは、編み物をする。
横で、眠りこける、カール。
アラゴーは歌の輪に入り。
ソフィアも歌う。
奥様たちも、初めての大旅行。
天候も良く、うららかな、春の日差しはつづく。
小麦畑。
たんぽぽ畑。
牧場。
橋を渡り、馬車の旅はつづく。
遊び疲れたのか、子供達も、奥さんの膝で、スヤスヤと眠っている。
いびきをかいている、カール。
御しの、馬に鞭打つ音と、車輪の音だけが、響いている。
農村を抜ける、馬車。
村人が、なにか言いながら、走っている。
馬の手綱を引く、御し。
馬「ヒヒーン」
突然、止まる、馬車。
カール「ぐかー」
ソフィア「?! どうしたの?」
アラゴー「ヨッコラセっと、何やら、臭うな」
走る、村人の悲鳴が聞こえてくる。
アラゴー「んっ? なんじゃ?!」
遠くから地響きがしてくる。
擬音「ドシーン」
「ドシーン」
馬車が揺れ出す。
「ドシーン」
「ドシーン」
アラゴー「うおっと!」
村人が、走っている。
「でたどー!キングデーモンだー!!」
「うわぁーバケモノだー」
御しが、慌てる。
「起きろカール!」
「モンスターだ!!」
「んにゃ?!」
体が宙に浮く。
気づくと、馬車が、宙高く、持ち上げられている。
「うわぁーー」
急いで、家族と飛び降りる、カールとアラゴーと、ソフィア。
馬車は投げつけられ、崖の斜面に当たって、粉々に砕ける。
「あらぁー」
「なんつること!!」
「キングデーモンね」
見上げる冒険者たち。
そこには、高さ、30mの巨大なデーモンが。
「やばいな」
キングデーモンは、向きを変え、牧場へと向かう。
「モー、モー」
6本ある手で、牧牛をかっさらうと、丸呑みにする。
「うわぁー」
「モー!!」
「ホルスタインが!!」
「やってくるぞ!」
北西から、空中に、6体のデーモン。地上に、2体のキングデーモンが、こちらにやってくる。
「大スペクタクル!!」
「どうする?」
「逃げるか!?」
村人が言いよってくる。
「冒険者の皆さん、助けてください。牧場は、皆の財産なのです」
「えー」
「でも」
「助けよう」
「キングデーモン3に、デーモン6か」
「ちょっとやっかいだな」
「ツイスターも効きそうにないしね」
「試しに、やってみたら?」
「試しに?!」
「カールが言うなら、いいわよ」
「方位、北西、距離、1.2km」
エルフが呪文を唱え始める。
「天空の神、うちなる精霊。風の精。シルフよ。竜巻を起こしたまえ」
抜けるような青空に浮かぶ雲の動きが速くなり、空に灰色の幕が広がっていく。
ポツリと雨が降ってくる。
「きつね雨」
雷音が響き、音は次第に近くなってくる。
爆音とともに、豪雨に。
かさなり合う、風は、豪風へとなり、螺旋は渦高く昇る。
「ツイスター」
「モーー」
「ムオーー」
螺旋の渦に巻き込まれ、7匹の牧牛が巻き込まれて、飛んで行く。
「ピュン、ピュン、ピュン、ピュピュピュンピュンー」
風に飛ばされる、牧牛。
キングデーモンは、豪風に耐えて立っている。
「おあーー花子ー」
「ああーーホルスタインがー」
「やっぱり」
「無理か」
竜巻もおさまり、向きを変える、キングデーモン。
身構える冒険者たち。
そこに、ジープが現れる。
「タムド、タムド!!」
「キングデーモン、スタンド、アンリバイルド!」
「ん~? なんじゃ?!」
「立っている、キングデーモンは、無敵だって」
アラゴーは、ジープの後ろに積んでいる、爆薬の箱に目がいく。
「まてよ」
「ソフィア、ウインドは、使えるか?」
「ええ、まだ使えるわ」
「キングデーモンの足をすくってくれるか?」
「!」
「タイムと、TNTね」
呪文を詠唱し始める、エルフ。
「内なる精霊。空の精霊と交わりし時、天のみかごにのって、現れるシルフよ、キングデーモンの足をすくいたまえ」
再び、青空が曇りはじめ、風が強くなり、空に無数の精霊が現れる。
精霊は、渦となって歌い出す。
動きが鈍る、キングデーモン。
精霊は3体いる、キングデーモンの足の周りを回りだす。
「リリールエルリラー」
動きの止まるキングデーモン。
体勢を崩す。
「いまじゃ」
アックスを立てると。
呪文を詠唱する、ドワーフ。
「悠久の時は、収束し、時間は、虚空の空間へと帰る」
「ストップ!!」
時空に浮かぶ、時計群。
崩れた体勢で、動きの止まる、キングデーモン。
「まかせろ!!」
TNTを、キングデーモンの、口に放り込む、カール。
「3」
「2」
「1」
「0」
大音響と、ともに、大爆発する、キングデーモン。
「やった!」
雄叫びをあげる、砂漠の民。
爆炎の向こうから、スーツ姿の、巨躯の男たちが、6人現れる。
「んっ」
「なんだ?」
スーツの男「お見事!」
「巨大な、お腹をすかせている子がいるとする」
「食べ物がない」
「近くに、美味しい食べ物が置いていたとする」
「さあ、君はどうする?」
「あぁ! 買ってくる」
スーツの男「グレイト!」
「うわぁー! 助けてー!」
カール「しまった!!」
スーツの男「気づくのが、遅い! ひっかかりましたね」
6人いるスーツの男たちは、分散して、ユトを連れて飛び立つ。
スーツの男「子供は、預かりました」
「キングデーモンを殺した、恨みは、晴らさせさせて頂きます」
ソフィア「カール」
「ガンよ!」
カール「ちくしょう」
ガンで、飛び立つ、グレーターデーモンの、ユトを抱えた腕を狙う。
擬音「バンッ!」
見事、グレーターデーモンの腕を、銃弾が貫く。
上空から、ユトを落とす、デーモン。
呪文を詠唱する、エルフ。
ソフィア「天のみかごにのって、現れるシルフよ、ユトを包む、チェアーとなりたまえ」
ボウンと、空気のクッションに包まれる、ユト。
グレーターデーモン「ひとまず、我々は、引きます、いずれ、この借りは返させて頂くでしょう」
カール「もう、来んな!!」
駆けつける、ソフィアの腕にい抱かれる、ユト。
戻る日常。
牧場。
「あーあ、おらの花子が‥」
牛飼いのおじさんが、飛ばされた牛を、哀れんでいる。
ソフィア「飛んでいった、牛さんには、ゴメンなさい」
牛飼い「まあ、被害が、そうでもなかったんで、良かったです」
「食べていきますか?」
カール「いえ、先を急ぎますので」
アラゴー「えぇ~」
注)ホルスタインは食肉用ではない。
馬車に戻る、一行。
奥様「それにしても、かっこよかったわ、ソフィアさん」
テオ「冒険者のみなさん、初めて見た」
奥様「アラゴーさんも、素敵でしたわ」
アラゴー「さあな。ムフフ」
「よいしょっと」
ユトを抱き上げる、アラゴー。
歌を歌う、みんな。
子供たちは、ぐっすりと眠りこけている。
ガタコト道を走る馬車。
日は暮れ、ホロは朱に染まっている。
闇に染まる、クラブズ=クロウ。海に沈む、夕日。
海沿いの天球面には、星もちらほら光だしている。
間も無く、夜を迎えようかと言う、夕暮れの道を、馬車で、ひた走る、冒険者一行。
いざ、海風のランド=ヨリサール。カジノユリーサへ。
PS. ユト&テオ『それにしても、今日のカールたちは、ARより迫力あったよ』
ミッションエンド。




