未来都市レラーナ
フォース=エセラーの短編です。 読みやすいですヨ。 凸凹コンビ。カールとソフィアとアラゴーの旅。 今度の冒険の舞台は、未来都市レラーナだ。 ちょっと暗いけど、読んでみてね。^_^
口未来都市レラーナ
(この話は、フィクションです)
戒厳令都市。
夕かがりになり、サイレンの音は、苦しみからの解放を願う、叫びのように聞こえる。
赤に染まる、都市。
夕日に照らされた高層ビル。
高層ビルの一室から、階下を見下ろす、人影。
「まだだ、まだ、お金が足らない」
「人草を増やそう」
スクランブル交差点。
蝋人形のように、歩く、雑踏。
無言である。
住宅街、一角。
ここは、牢獄だ。人は、影。本当の自分すら、みえない。
「いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、もう、こんな都市には居たくない」
「まあ、ユトちゃん、どうしたの?」
「テオちゃんが、いなくなった。7人目だ」
「転校じゃないの?」
「違う、わからないんだ」
「忘れなさい。ユトちゃん」
「あなたは、進学のルートを守って、ちゃんと学校で勉強していれば、良いのよ」
「テオちゃんと、明後日、デートの約束をしていたのに」
「デート?!」
「お父さんに言ってみるわね」
「やめて、ママ」
「先生、怖いけど。僕、勉強に戻るよ」
「そうよ、ユトちゃん。あなたは、進学を守って、ちゃんと、立派な、弁護士、医者にならないと
いけないわ」
「先生に、歯向かってはいけない。頭を下げるのよ」
部屋に引きこもる、少年。
幼馴染の、テオちゃんには、病気の母がいた。
手術する費用を稼ぎたいと言っていた。
ベッドに横になると、泣き濡れる少年。
テオちゃんとの思い出を、思い出す。
いなくなった父。病気がちの母に育てられる。
母は、エリートポスレジスタッフだったが、結婚してから、
病気がちになった。
スクール。
学校で草むしり。軍手装備だ。
ユト「僕は、草むしり、好きだ」
ダタ「草むしりってさ、囚人がやるのよ」
ユト「えっ?」
テオ「わたしも好きよ」
元気にいた頃の、テオちゃんだ。
学校の校舎をあおって、見上げる、青空。
テオちゃんの家に、ダタちゃんと行った時だ。
ママの病気を治すのに、お金がいってね。
綺麗な顔立ちのテオちゃん。
ダタちゃん、嫌味を言う。
「まだ、売れるものがあって良いじゃない」
ダタちゃんを平手打ちする、母。
「こんな子とは、もう、遊びなさんな」と。
遊びに行った、テオちゃんの家で、ふらりと、出て行ったという父が帰ってくる。
250万素体の灰人だ。
病気の母は、なけなしのお金を渡す。
お父さん!とテオちゃんは言うが、表情一つも変えない父。
無言で受け取り、去る、父。
ユトちゃんにぶつかって去っていく父。
口から、ドリーがでているのを見る、ユト。
「?!」
「ツイッター原体!」
尻餅をつく、ユト。
✳︎ツイッター原体。箱おじさんや、おっさんが、レズビアンのおばさんなどが、お金を払って、
ツイッター原体に乗り、奥さんとセックスをしたりする。
綺麗な奥さんの場合。都市部では人気がある。
ツイッター原体は、わりと綺麗に整える。
(フィクション?です)
口ランド=ダデム
冒険者の宿。
ランド=ダデム
白金の渚亭。昼下がり。
季節は、初春。
酒場でうだを巻いている、カール。
エディブが声をかけてくる。
「ヘイ、カール! また、デンジャラスな事件が入ってきたぜ」
カール「なんだい? エディブ」
エディブ「場所は、レラーナ。戒厳令都市だ」「事件の内容は、こうだ」
「先進国遺伝のお子さんをねらっての、人さらいが頻発するようになる」
カール「つまり、綺麗な子を狙っての人攫いか」
エディブ「イエス」
「あと、秘密裏に、遺伝交配を行なっている、噂もある」
カール「?!」
「冗談だろ!」
ミッションスタート
キャスト
人間 カール=ザルツバーグ
男の子 ユト=イワタカ
女の子 テオ=シラツキ
口カールとユトの出会い。
雑踏の中、一人座り込んでいるユト。
「どうしたんだい? 坊主」
缶コーラを渡す、カール。
「あ ありがとうございます」
「こんな所に、一人でいると、人攫いとかに、つかまっちまうかもだぞ」
「え あはは」
「元気がないな」
「はい」
「どうしたんだ?」
「たった一人のカールフレンドがいなくなったんだ」
「!」
「つまり、行方不明?!」
「うん」
「ちょっと、詳しく、話を聞かせてくれないか?」
「えっ?」
「どうしたの?」
「いや、冒険者の宿のミッションで、子どもが行方不明になる事件が多発していると」
「!? その話は本当なの?」
「助けて、お兄さん」
「もう一回言う、詳しく、話を聞かせてくれないか?」
頷く、ユト。
口噴水のある公園
スクランブル交差点を出て、約束の場所、公園へ。
いないと知りながら。
翌日、デートの約束の場所まで、カールと歩いて行くことに。
いないことを、わかっていながら、鼻歌を歌って。
約束の場所。
噴水のある公園。
噴水のそばのベンチ。
テオちゃんが、知らない男性といる。
ユト「!?」
お金を受け取る、テオちゃん。
カール「なにやら、ヤバイな」
「後をつけていこう」
繁華街を抜けて、マンション地帯。
高層マンションの一角。
中層階のある部屋にたどり着く。
覗く、カールと、ユト。
中には、子どもたちが裸で寝かせられている。
「!」
ほうりこまれる、テオちゃん。
恐怖で、足のすくむユト。
カール、ユトにつぶやく。
「勇なきもの、愛を失う」
「善を信じるもの、愛が味方する」
声を振り絞る、ユト。叫ぶ。
「やめろーー!」
「ユトちゃん」
テオは、今まで、がまんしてきた恐怖が、線となる。
泣き出す、テオちゃん。
カール「自我が芽生えた」
剣を抜く、カール。
自殺する、チンピラ風の男。
散り散りになって、逃げる子供達。
カール「いったい、なんなんだ、この有様は?!」
テオに服を着せる、ユト。
ユト「力が欲しいんだ、カールさん!」
カール「君の体格では、金か?」
「ボクには、心があるな」
「テオのお金か?」
頷く、ユト。
カール「新聞で、読んだんだが、現在、結社が、小銭を稼ぐためのバイト枠を儲けているらしい」
「ゴードーの、企業にでも連絡してみるんだな」
ユト「ありがとうございます」
手を、お互い、握りしめている。ユトと、テオ。
ミッションエンド
キャスト カール=ザルツバーグ
ユト=イワタカ
テオ=シラツキ