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パポル草原

長編のフォース=エセラーを、短編だよ。 読みやすいです。 凸凹コンビ。カールとソフィアとアラゴーの旅。 今度の冒険の舞台は、草原だ。ぜひご一読を。

口パポル草原

 

 草原の探索者。


冬は厳冬。夏は温暖な、ソルメーヌ地方。

季節は、初夏。

照りつける陽光のもと、ポートラインはうだるような熱さだった。

ポートライン、シティ、メルート。

いわずとしれた、デビルズヒル=ヤパベル沿いにある国家、ソルメーヌの小都市だ。

ポートには商船、軍船が並ぶ。

波はない。

切り取ったポートレイトみたいに、波止場は静まりかえっていた。

ポートの湖岸では、日が射したサイロが立ち並び、斜線の影絵ができている。

人影はなく、靴が床をたたく音が、こだまのように反響して聞こえる。

人通りはない。


しばらく進むと、噴水があり、大通りにでる。

通りの横には、漆喰でできた、四角い家がならび、ぽつりぽつりと商店、宿屋がならぶ。

日差しが熱いせいか、住民は、軒に避難している。

四角い家の回りには、ガジュマルが所狭しと植えられている。

日は強く、風は強い。

風に揺れる、ガジュマル。

冒険者が、四角い家の一件を指し示す。

冒険者が選んでいた、宿屋。草原の風亭グラスウインドアーバーだ。


ロセ=グラスウッズ。

いわずと知れた、メルートの看板マスターだ。

冒険者の宿、壁紙に、『パポル草原、初夏の草原狩りのツアー』とある。

マスター曰く、「草原は、リヤム高原にあり、比較的すずしい」「子供の背ほど長く茂った牧草が、風に揺れる景色は有名だ」と。


ここで、冒険者は出会うこととなる。


ミッションスタート。


メンバー。

エルフ、ドワーフ、シーフ。







口パポル草原

 

 

 ここは、厳冬のリリー湖のほとりにある。パポル草原。

 季節は夏。

 草原の中、3人の冒険者が汗だくで、探索している。

 3人は、ロッドセスでパーティを組んだばっかりの、新米冒険者だ。

 目的地の見えないように、3人はひた歩く。

 子供の背程、育った牧草畑は、端が見えない程広い。

 まるで、海のようだ。

 歩き疲れてきた冒険者の頬を、ここちよい風がなでる。

 草原に風が吹いて来る。

 大海の波のように、風にそよぐ牧草。

 「良い風」

 「ふぅ。景風だのう」

 太陽を手で遮りながら、歩く。ドワーフとエルフとシーフ。流れる汗もひく。

 草なりの3人の影もそよぐ。

 ちらりと、シーフを見やるドワーフ。

 「それにしても、このシーフ。景附がつきまとっているような…」

 汗をぬぐうシーフ。

 シーフはエルフを見る。

 美しい白絹のような、グラマラスな肢体を、なめ回すように見る。

 蒼顔で狡猾そうな、鋭い目で探るシーフ。

 エルフの腰につけた、短剣に目がいく。

 シーフの心の声「なかなかの、値打ち物だ、ミッションで儲けれなかってもな」

 石積み。

 石積みの影が進み、崩れる。

 手を横に突き出す、エルフ。影を見る。

エルフ「シルバースネークを探して、6時間ね」

 頷く、ドワーフとシーフ。

 くたくたになりながら、依頼されたシルバースネークの巣を、捜している。

 「もうそろそろ、依頼にあったヤツにあたる所だ」

 気を潜める、冒険者達。

 牧草の波が止まる。

 すると背丈ほど育った、牧草の中から、一匹のシルバースネーク(白銀蛇)が飛び出してくる。

 ミュイーン。

 「ふぅ。かわしたぜぃ」

 ミュイーン。

 オウチ。

「ドワーフの精霊、ノームよ、我が輩の、鎚に宿りたまえ」

 光輝く、鎚。稲妻のように振り下ろされる。

 「土中、とど盛り!」

 ポンスク。

 ポンスク。

 スワンプ。ミュイーン。

 縮んで行く、シルバースネーク。

 「ふぅ。ひとまず倒したな」

 背後で何か動く。

 すると鋭い閃光が。

 ピキューン。ピキューン。

 「ウワチッ。何だぁァ」

 シーフは一目散に逃げ出す。

 「俺は、こんな、化け物はとりあわねぇー」

 転倒するシーフ。

 叫ぶドワーフ。

 「レイラーァ」

 これから、生まれて来る子供に一目会いたかった…。

 寝転び、瞳をとじるドワーフ。

 「まだ、寝ぼけている所では、ありませんわ」

 光輝く衣を身にまとったエルフが、気付け袋をほうる。

 飛び起きる。ドワーフ。

 「冗談じゃわ。おぬしに、言われる筋合いはないわい」

 「それにしても、あんな口から光を吐く蟻なんて見た事ないぞ」

 次々に集まってくる、ジャイアントアント(巨大蟻)。

 「これでは、きりがないわい」

 「それにしても、光線を放つ、蟻などみたことないぞ」

 集まる、巨大蟻たち。

ドワーフ、鎚を振り下ろす。

『グワッシャー』

頭部を破壊される、アント。

ドワーフ「これでは、きりがないわい」

  エルフ、連続で弓を放つ。

 「メカみたい」

 「わたしに、まかせて」

 呪文を唱えるエルフ。

 「内なる精霊。空の精霊と交わりし時、天のみかごにのって、現れるシルフよ。我に付き添いたまえ」

 風が強くなり、空に、無数の精霊が現れ、渦となって歌い出す。

 ジャイアントアントの、一番巨大なヤツに的をしぼるエルフ。

 エルフが呪文を唱える。「風の精霊シルフよ、我に力を!」

 エルフの回りに精霊が回り始め、歌い出す。矢に精霊の光が集まってくる。

 エルフの弓は正弦を切る。

 矢は白銀の線になり、アントの触覚を見事に打ち抜く。

 白く光る、ジャイアントアント。

 ピキキキ。

 一瞬止まったかのように見えたジャイアントアントは、気が狂ったように、同士討ちを始める。

 グワッシャーン。爆発するジャイアントアント。

 壊れたメカの山になる。

 側に、シーフの死体も、転がっていた。

 「よし」

 「やったー」

 ミッションクリア。

 「しかたない、シーフどのには、ここで安らかに眠ってもらうか」

 石積みをするドワーフ。

 碧海の草原。

 祈る二人。

 成功報酬1000ゴールド獲得!!


 END.

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