第二十二話 夏の甲子園大会3
今回は短いです。
大和第六高校対AL学園の準決勝が開始された。
これまで西東京予選からリリーフを任されていた大和第六高校の右サイドスローの佐々木が先発を任されて強豪AL学園と対峙した。
佐々木もオーバースローやスリークォーターが主流の中でサイドスローという個性ある武器に加えて高校球児としては一線級の制球力と平均球速130キロ台のストレートを備えた投手は本来なら全国クラスの強豪校でエースになっても可笑しくない実力を佐々木を持っていた。
実際に田中監督も右打者が多いAL学園打線を佐々木なら五回までなら何とか持ち堪えてくれるだろうと思っていた。
サイドスローはその名の通り横投げの投手であり、その投げ方故に右打者にとっては右投げのサイドスローは軌道が見え辛いメリットはあるが逆に言えば左打者にとっては右サイドスローの投手は軌道が見えやすいデメリットもある。
そのため佐々木はこれまで和田や佐久間という投手という存在も理由になるが高校野球界では珍しいサイドスローという希少性を生かしてリリーフを任されてきた。
そもそも佐々木が先発する時はだいたい左打者が少ないチームと対戦してる時であって今回のAL学園戦で佐々木が先発しているのも田中監督からちゃんと戦力として評価されてるからである。
『五回が終了し、5ー2と予想に反して大和第六高校がAL学園相手に三点リードしています。一巡目はAL学園エース角田君のストレートとフォークのコンビネーションに苦戦しましたが二巡目からはきっちり対応して逆転したのは流石は打の大和第六高校ですね』
『しかし逆転は時間の問題と思われますね。佐々木君もAL学園打線相手に奮闘していますがAL学園打線は大和第六高校ほどの強打のイメージはありませんがAL打線の怖さはプロ顔負けの適応力の高さですからね』
『なるほどAさん。お、どうやら大和第六高校の田中監督が動きます』
……大和第六高校選手の交代をお知らせします。ピッチャー変わりまして和田君。背番号11……。
『和田です、和田篤史です!一年生ながら甲子園で高校……いやプロを含めた日本最速記録160キロをマークし甲子園を沸かせた豪速球投手和田篤史君を田中監督六回から投入しました!』
『勝負に出ましたね田中監督。今大会和田君がリリーフとして器用された場面はありませんからね。先発とリリーフでは立ち上がりに違いがありますから和田君がしっかりと適応できてるのかが勝敗が決定するかもしれませんよ』
『なるほど。おーと和田君、いつもの様に豪快なフォームから振りかぶって投げた!』
ズドォォォオオン!!
和田が投げたストレートを佐久間が捕球してミットから破裂音が球場に響き渡る。
バックスクリーンに表示されてるスピードガンに162キロが表示されて甲子園球場から凄まじい歓声が響き渡った。
『162キロ、162キロです!和田君、自己最速記録を更新しました。あまりの豪速球に甲子園球場に集まった観客達は驚きのあまり凄まじい歓声です!』
『全く驚かされるばかりです。これで和田君はまだ一年生なのですから和田君が日本球界を代表する投手となる日は近いかも知れませんね』
その後は四死球を二つほど出して立ち上がりに苦労した和田だが、それでも四球二つ以外で塁にランナーを出した事はなく、和田は奪三振5 四死球2 被安打無しという記録を叩き出した。
夏の甲子園大会準決勝、大和第六高校は5ー2で勝利した。
大和第六高校がAL学園を破り決勝戦進出した事はスポーツ新聞の一面に掲載された。
記事の内容は『大阪名門AL高校準決勝で散る。和田篤史日本記録を更新。出たぞ162キロ!!和田「まだまだ俺の実力はこんなものじゃない!」と強きのコメント』
と、この様にスポーツ新聞に掲載されAL学園監督の相澤は試合後に和田について聞かれたら「見たまんまだ。あの試合に一人だけプロがいた」と、コメントを残した。




